知的財産ニュース 特許庁、融合研究事業における特許戦略の支援を本格化

2015年6月29日

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韓国特許庁と国家科学技術研究会は「融合研究事業」の成果の拡大及び事業化に向け、融合技術R&Dの全過程における特許戦略を共同で支援すると発表した。

最近、技術間融合の動きや新しい成長エンジンの発掘に向けた融合技術の開発が加速している。これを受け、政府出捐研究機関を総括する研究会も「融合研究事業」を進めている。特に、国・社会及び産業界における懸案の解決技術を開発する融合研究団は、最長6年間、年に約100億ウォンの支援が受けられる大型R&Dであり、2014年に2つの研究団が立ち上げられ、2017年まで20規模に拡大される予定だ。

国を上げて取り組む大型R&Dプロジェクトを成功させるために、特許庁の「特許戦略支援事業」と連携させる案が今年3月から議論されており、実務準備を終えた今月、計31億ウォン(特許庁11億ウォン、研究会20億ウォン)規模で本格開始される。特許は、世界中の最新技術を記録した技術文書であり、事業化に欠かせない独占権であるため、融合研究過程において戦略的に活用する必要があるからだ。

まず、融合研究課題の企画段階から先行研究と差別化を図れるよう、特許動向調査を支援する。同調査は2015年度新規課題として企画中の32の候補課題に対し7月~8月に行われる予定だ。

また、研究を行う段階においてはR&Dの方向設定及びオリジナル・中核特許の確保に向けた特許戦略の構築を支援する。2014年に選定された5つの研究団・課題に対する特許戦略支援を今月開始し、2015年に選定される予定の11研究団・課題に対しても今年下半期から順次、支援を開始する。

これに加えて、研究団の選定では脱落したものの、未来技術先取りや事業化の可能性の高い10の課題については、オリジナル・中核特許の先取りや後続の研究が円滑に進められるよう、研究会が自主的にサポートする予定だ。

研究会のユン・ソクジン融合研究本部長は「融合研究の初期段階から体系的な特許確保戦略を構築して研究開発に取り組み、事業化までにつなげることが重要だ。特許庁との協力がこの事業を成功させる上で大きく貢献すると思う」と述べた。

また、特許庁のクォン・ヒョクジュン産業財産政策局長は「事業化成功のカギとなるのは、優れた知財権の確保だ。融合研究事業を始めとする政府R&Dにおいて優れた特許を確保し事業化できるよう、特許庁からの支援を拡大していく」と強調した。

特許庁と研究会は、今後も融合研究事業の成果拡大に向け、業務協約(MOU)の締結や成果分析、支援範囲の拡大等、協力を強化していく方針だ。

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