知的財産ニュース 特許庁、2015~2017年特許権満了予定の物質情報を公開

2015年2月23日
出所: 韓国特許庁

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今後3年以内に特許権が満了する物質特許540件に対する情報が公開される。

特許庁が公開した資料によると、2015~2017年に存続期間が満了する物質特許は、医薬分野が249件(46.1%)で最も多く、次いで化学素材123件(22.8%)、バイオ109件(20.2%)、農薬40件(7.4%)、化粧品12件(2.2%)、食品7件(1.3%)の順となった。

代表的な満了予定物質としては、国内処方薬のうち、売上高トップのB型慢性肝炎治療薬の「バラクルード」(年間売上高約1,600億ウォン)の主成分である「エンテカビル」(‘15年10月満了予定)、「バイアグラ」(‘12年5月満了)とともに勃起不全治療薬市場をリードしてきた「シアリス」(年間売上高約250億ウォン)の主成分「タダラフィル」(‘15年9月満了予定)、間接リウマチ治療薬「セレブレックス」(年間売上高約580億ウォン)の主成分「セレコキシブ」(‘15年6月満了予定)、HIV感染症治療薬「カレトラ錠」(世界市場規模約13億ドル)の主成分「リトナビル、ロピナビル」(‘16年12月満了予定)、間接リウマチ治療薬「ヒュミラ」(年間売上高約400億ウォン)の主成分「アダリムマブ」(‘17年2月から‘19年1月に満了期間延長)など、多数のブロックバスター医薬品が含まれている。これら物質の国内市場規模は、確認されただけでも6,000億ウォンに上っている。

途中で特許権を放棄せず、存続期間の満了を迎える540件の物質は、新商品の開発と改良物質の研究、R&D活性化などによってこれからも活用の価値が極めて大きいと見られている。

今回、特許庁が提供する特許権満了予定の物質情報資料集には、各物質特許の抜き書き、代表請求項、存続期間の満了日、特許紛争事項などの特許情報のみならず、当該物質を利用した商品名、有効成分の構造式、用途、許可日、市場規模など、非常に有益な情報が多数盛り込まれている。

特許庁応用素材審査課のソン・ヨンウク課長は、「政府3.0施策と足並みを揃えて特許権満了予定の物質に対する情報公開が行われただけに、この資料が新しい用途および剤型の開発、商品化などに活用されるのはもちろん、特許障壁の分析と空白技術の提供、商品化への可能性検討など、需要者のニーズに合わせた知財権サービスの基礎情報としても活用されることを期待している」と述べた。

また、オリジナル物質に対する特許が満了しても、当該物質に係わるその他特許が存在する可能性があるため、研究企画および市場参入を前に存続期間の延長可否と剤型、用途、異性体特許などを同時に検討する必要があると付け加えた。今回公開する資料には、以上の情報も盛り込まれている。

特許庁は、昨年にも特許権が満了する物質に関する情報を公開した。商品の開発および販売に向けた試験などに3年以上の時間が必要だとの産官学需要者のニーズに応える形で、今年は2017年まで満了する物質に対する情報を分析・提供した。

2015~2017年に存続期間が満了する物質特許は、特許庁のホームページ(http://www.kipo.go.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のほか、特許情報院(http://www.kipi.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、韓国化学産業連合会(http://www.kocic.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、韓国保健産業振興院(http://www.khidi.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、韓国製薬協会(http://www.kpma.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のホームページに掲載され、誰でも簡単に閲覧することができる。

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