知的財産ニュース キャンピングカー関連技術の特許出願が急増

2015年8月24日
出所: 韓国特許庁

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夏休みシーズンを迎え、移動はもちろん、寝泊まりや食事もできるキャンピングカーが人気を集めている。いわゆる「車中泊旅行」を楽しむ人の増加に伴い、キャンピングに関する特許出願も増えていることが分かった。

※車内で宿泊や食事と済ませながら楽しむ旅行を指す造語

特許庁によると、キャンピングカーに関する国内特許出願は、1990年から2009年までの20年間で73件だった。一方で、2010年から2015年6月までの5.5年間は計153件で、ここ数年間、出願が急増している。実際に、2010年12件、2011年10件、2012年21件、2013年33件、2014年51件、2015年6月時点で26件が出願されている等、大幅に増加した。

年度別でみると、1990年代(計6件)には、年平均0.6件、2000年代(計67件)には年平均6.7件、2010年代(計153件)には年平均27.8件のキャンピングカー関連特許が出願される等、増加基調にある。

キャンピングカー関連特許出願のほとんどは、主に移動利便性や利用環境を向上させるためのキャンピングカー構造に関するものだ。キャンピングカーは、構造によって内部改造式キャンピングカー1)、ルーフトップ式キャンピングカー2)、モーターキャラバン・トラックキャンパー3)、キャンピングトレーラー4)、テントトレーラー5)等に分けられる。

これらの出願技術を類型別にみると、モーターキャラバン・トラックキャンパーの出願が69件と全体(226件)の30.5%を占めており、次いでキャンピングトレーラーの出願が53件と23.5%、ルーフトップ式技術が52件と23%を占めている。

その中で、最近ではキャンピングトレーラーとルーフトップ式キャンピングカー関連技術の出願増加が目立っている。

キャンピングトレーラー関連の技術出願は、2010年3件、2011年5件、2012年9件、2013年11件、2014年12件と、増加傾向にある。従来の乗合自動車の屋根にキャンピング用ルーフテントを取り付けたルーフトップ式キャンピングカーに関する出願も2010年の0件から2011年1件、2012年5件、2013年9件、2014年17件と増えた。

キャンピングカーは、自動車に住居施設を追加した車で、寝室からトイレ、シャワー室、炊事室まで、日常生活に必要な基本施設を備えており、季節に関係なくキャンピングを楽しむことができる。

国内では、現代自動車、チェイルモビル、バンテクD&C、ドゥソン特装車等、ソンウ特装等の企業がキャンピングカーを生産又は従来の車を改造してキャンピングカーを製造している。

特許庁の関係者は「今後、韓国においてキャンピングカーを利用した旅行は馴染みの風景になるだろうと思われる。キャンピング文化の拡散に伴い、キャンピング関連技術の特許出願も増えると予想される」と述べた。


注記

1) 従来の商用車を改造し、前方の運転席と後方の生活施設に区分して設計した車
2) 従来の乗合自動車の屋根にルーフテントを設置し、ベッド等の施設を揃えた車
3) 貨物車の荷台部分に住居施設を架装した車
4) 他の車に牽引される形で移動できるように設計された車
5) テントとトレーラーが結合された形態のトレーラー

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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