知的財産ニュース 2015年、新しくなる知的財産制度は?
2015年1月2日
出所: 韓国特許庁
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特許庁は、出願人の利便性向上と優秀なアイデアの早期権利化および保護の強化を柱とする「2015新しくなる知的財産制度」を発表した。
改正される制度によると、中小企業が支援対象となっていた特許・商標・デザインの海外権利化の支援について、今年からは個人などの創業予備軍も受けられるようになる。また、公募に出された優秀なアイデアを特許に出願するとき、一般の特許出願より審査結果を早く受け取ることができる優先審査が申し立てられる。
今回発表された改正制度の主な内容は以下のとおりだ。
1 知的財産権の早期権利化を支援
- ベンチャー企業の出願、技術革新型中小企業の出願、1人創造企業の技術開発事業に関する出願などに提供するデザイン優先審査の対象に「Good Design※」として選ばれたデザインが追加される(’15.1.1.施行)。
※産業デザイン振興法に基づいて「韓国デザイン振興院」が選定した優秀デザイン - 第3者が実施中の出願、ベンチャー企業の出願、輸出関連出願などの場合に限って可能だった特許優先審査の対象に公募で選定されたアイデアを出願した場合も含めて、早期の権利確保ができるようになる(’15.1.1.施行)。
- 技術難度の高い出願について、審査着手の前に出願人と審査官が対面面談を行って正確かつ迅速な審査を図る「予備審査」制度の対象を「先行技術調査の依頼があった優先審査の出願」から「すべての優先審査の出願」に拡大する(’15.1.1.施行)。
2 海外における知財権の権利化および保護の強化
- 「海外における知的財産権の権利化支援事業」の対象が従来の中小企業から個人など創業予備軍にまで拡大する(’15.1.1.)。
- 中国などアジアに進出している韓国企業の商標が侵害されるのを予防するため、輸出企業を対象に模倣品への対応戦略、輸出商品のネーミングなどのコンサルティング※を提供する(’15.1.1.)。
※’15年100社支援予定 - 海外知識財産権センター(IP-DESK)を介して現地で活動中の商標ブローカーを常時モニタリングして、韓国企業の被害を予防する(’15.1.1.)。
3 出願人の利便性向上・負担軽減
- 中小企業が営業秘密の原本証明制度※を利用する時に支払う1万ウォンの登録費用のうち7割を支援し、3,000ウォンで利用できる(’15.1.1.)。
※営業秘密が盛り込まれた電子文書の登録によって、営業秘密の保有事実を証明 - 改正特許法の施行によって韓国語のみならず、英語の特許出願もできる上、研究ノートまたは論文でも出願ができるように形式の要件が緩和される(’15.1.1.)。
- 公知例外主張が特許出願の時に限って可能だったが、今後は、特許登録前までできるようになった。分割出願の場合、登録決定時までに限って可能だったが、登録決定以降にもできるように改正される(’15.1.1.)。
特許庁のキム・ヨンミン庁長は「2015年から新しくなる知的財産の行政が「経済革新3カ年計画」の推進に貢献すると期待している。特許庁はこれからも知的財産権の獲得について、国民の利便性を高め、権利の保護を強化することで、韓国企業の競争力を高めるに必要な支援を充分に提供していきたい」と述べた。
ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム
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