知的財産ニュース 中国でヒットした韓国化粧品の模倣品を摘発

2015年2月5日
出所: 韓国特許庁

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特許庁の商標権特別司法警察(以下、特司警)は、中国で人気の高い韓国化粧品(マスクパック)の模倣品を製造・流通した疑い(商標法第93条)で、チェ某氏(男性、65歳)など4人を在宅起訴した。

容疑者らには、中国で人気を博している韓国製マスクパック「リーダース・インソリューション(商標登録第1034198号)」の模倣品26万6,000点(時価7億9,000万ウォン)を違法製造し、中国に流通させた疑いが持たれている。特司警は、このうち、15万8,545点を差し押さえた。また、10万8,000点はすでに中国に流通されたと見ている。

特司警は、昨年12月から捜査に取りかかり、今年1月、京畿道坡州市にある製造工場で生産されていたマスクパック、マスクパック・ポーチ、ケースなどを差し押さえた。捜査の結果、容疑者らは、人影の少ない場所に一般家庭を装って製造工場を立ち上げた後、外国人労働者を雇用して、当該商品を製造してきたことが分かった。

今回検挙されたチェ容疑者は、昨年11月、韓国企業「SANSUNG L&S」のマスクパックが中国で売れ行きが良いと聞いて、同商品をコピーし、流通を企んだ。そのため、マスクパックに関する機械設備、パッケージの製造、化粧品の溶液などに詳しいイ某氏(男性、47歳)、クォン某氏(男性、48歳)、クォン某氏(男性、59歳)と共に、正規品とほとんど同じ偽物のマスクパックを製造・流通したと見られている。

特許庁が同マスクパックの商品分析を依頼した結果、マスクパックの主な機能としてしわ改善の効果がある「アデノシン」成分が検出されなかった。差し押さえられた化粧品には、防腐剤である「フェノキシエタノール」も一部検出された。

特許庁は、当該商品が中国に流入された場合、現地のIP-DESKなどを介して中国の司法当局と協調し、当該商標権の保持企業が模倣品による2次被害を受けることがないよう、措置を取る予定だと述べた。

特許庁産業財産保護協力局のクォン・オジョン局長は、「最近特許庁は、中国など海外における韓国ブランドの保護に向けて、「K-ブランドの保護総合対策」を作るなど、韓国企業の知的財産権保護を強化している。今回の取り締まりは、国内・外の知的財産権に対する強力な保護政策の一環だ。国民の健康と安全に脅威となる模倣品のような非正常的な状況を正常化するための取り組みの結果だといえる」と説明した。

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