知的財産ニュース 特許法一部改正法律案、国務会議で通過

2015年7月9日
出所: 韓国特許庁

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特許法改正の主要内容

1. 不良特許の予防に向けた特許検証の強化

  • 特許取消申立制度

    誰もが先行技術情報等の特許取消事由を提供すれば、審判官の判断の下、迅速に当該特許を取り消す。

  • 職権再審査制度

    特許決定の後であっても、特許が登録される前まで重大な欠点が発見した場合には、特許決定を取り消し、再審査を行う。

2. 共同所有特許の技術移転の促進及び実施事業の保護

  • 共有特許持分譲渡の制限緩和

    大学や企業等が共同で所有する特許について、共有者の同意を得なくても持分全体を譲渡可能とする

  • 無登録通常実施権の保護

    特許庁に登録しなくても、特許弱者である通常実施権者の実施事業を保護

3. 特許紛争の長期化防止及び早期の権利確定の誘導

  • 訂正審判請求期間の調整

    特許無効審判が大法院に係属中である場合には、訂正審判の請求を不許

  • 審査請求期間を短縮(5年→3年)で早期の権利確定を誘導

早ければ来年7月から一般の国民だれもが先行技術情報に基づく特許取消事由を提出すれば、不良特許の早く取り消すことができる。
また、大学や企業等が共同で取得した特許であっても、相手側の同意なしに特許技術を移転することができるようになる。

特許庁は、今月8日、このような内容を骨子とする「特許法一部改正法律案」が国務会議を通過(7月7日)し、7月中旬までに国会に提出する計画だと発表した。

今回の改正案は、不良特許の予防に向けた特許検証の強化や共有特許の活用促進、特許紛争の長期化防止等に重点が置かれている。
特許庁は、一昨年から産業界・学界・研究会の専門家からの意見収集や政策研究請負、アンケート調査、公聴会等を行い、特許取消申立制度等合わせて15制度改善案をまとめた。

  1. まず、特許検証の強化に向け、特許取消申立制度及び職権再審査制度を導入し、特許登録前後過程において特許品質監視を強化する。

    最近、特許政策基調が特許品質中心に転じたが、主要国に比べると依然として審査官にかかる負担が大きく、特許品質への懸念が高まっていた。
    ※審査官1人当たり年間処理件数(2014年):韓国203、日本173、欧州47、米国70

    これを受けた特許庁は、欠陥のある特許を早く取り消すことができる特許取消立制度の導入を検討した。
    特許登録後6カ月以内に、誰もが先行技術情報に基づく特許取消理由を審判院に提出すれば、審判官が欠陥を確認し、特許登録を取り消す。権利者が特許取消に不服する場合、裁判所段階は特許庁が責任を取る。複雑で手間のかかる特許無効審判を提起しなくても、問題のある特許を最低費用且つ最短期間で取り消すことができるものと期待される。

    審査過程においては、特許決定後から登録前までの間、特許に重大な問題が発生すると、審査官の職権で特許決定を取り消すことができる「職権再審査制度」が導入される。特許審査の品質は高め、特許の無効可能性は下げることができると思われる。

  2. 創造経済のキーワードである特許技術の活用を促進し、実施事業を保護するための制度も導入される見込みだ。

    まず、大学や企業等が共同で所有する共有特許の技術移転を活性化させるための改善案をまとめた。

    現在は、大学等実施能力のない者は他の共有者の同意なしに自己の持分を利用(持分譲渡等)して利益を創出してはいけないことになっている。毎年共有特許が増えていても、持分譲渡等による技術移転があまり進まない理由だ。
    ※共有特許(2009年→2013年):5.6→12.6千件
    ※譲渡全体に占める共有特許の割合(2013年)2.8%

    これからは、他の共有者の同意がなくても自己の持分全体を譲渡できるように、共有特許制度を見直す。

    また、特許庁に通常実施権を登録しなくても、権利保護を受けられるようにした無登録通常実施権保護制度も導入される。相対的に特許弱者である通常実施権者の実施事業を安定的に保護するための措置である。

  3. これとともに、特許出願された発明の早期の権利確定や特許紛争の長期化防止に向けた制度改善も行われる。

    特許出願以降の権利未確定期間を短縮させ、企業側の特許監視負担を減らすために、審査請求期間を5年から3年に短くする。
    ※主要国の審査請求期間- 米国:出願と同時に、EPO:2年、中国・日本:3年

    無分別な訂正審判により、無効審判等の特許紛争が長期化することも防止できる。無効審判が特許法院に係属中であれば、弁論が終わった日までに限って訂正審判請求を認めるが、大法院段階では、訂正審判を請求することはできない。

その他の詳しい内容については、特許庁のホームページ(http:www.kipo.go.kr)にて確認することができる。

チャン・グァンホ特許審査企画局長は「今回の改正案は特許検証の強化や共有特許の移転促進等特許法を大きく見直したのが特徴だ。特許品質を高め、不要な特許紛争を予防するとともに、特許技術の活用を促進させることで特許基盤の創造経済の実現に貢献することを期待する」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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