知的財産ニュース 特許庁、グローバル知財権紛争対応の支援事業を開始

2015年4月7日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、海外に進出(予定)している中小・中堅企業の特許権・商標権に関わる紛争予防および対応に向けた「国際知財権紛争対応支援事業」を開始する。

支援対象は、国内・国外において知識財産権を保有している中小・中堅企業で、支援内容は、国際知財権紛争予防コンサルティング、懸案中心のモジュール型コンサルティング、K‐ブランドの保護コンサルティング、企業間協議体の構築および共同対応の支援などで、その所要費用の一部を企業に支援することになる。

まず、「国際知財権紛争予防コンサルティング」により、輸出の事前分析、特許保証の対応、ライセンス戦略、紛争拡大の予防など様々な戦略が提供されるほか、優秀な特許を基に欧米など海外市場への展開を試みる中小・中堅企業が主な対象だ。

また、韓国ブランドの保護に向けた「K‐ブランドの保護コンサルティング」を今年初めて支援する。国内商標の現地化・海外競合会社の商標分析・紛争情報の提供、海外における無断な先登録商標・デザイン権に対する権利回復などに向けたコンサルティングを提供する。中国およびベトナム、タイなどASEAN地域に進出(予定)する企業向けの支援事業だ。

「K‐ブランド相談センター」の運営を介して、海外における韓国ブランドの被害事例の受付・相談、海外商標検索の支援、法律諮問および関連支援事業の連携サービスを支援している。相談の申し込みは「国際知財権紛争情報ポータル(IP-NAVIwww.ip-navi.or.kr)」の「K-BRAND相談コーナー」または相談センター(02-2183-5891)で受け付けている。

オリジナルメニューの開発により韓国料理のグローバル化を進めているクァク・フードFCの関係者は、「中国に進出する前に現地における商標の無断な出願有無を確認するため、中国商標特許庁を通じて検索したが、調べ方が難しくて困っていた時、K‐ブランド相談センターに助けてもらった。さらに、先願商標が見つかったため、現地のIP-DESKを介して異議申立の支援手続の案内も受けるなど、ワンストップサービスが非常に役に立った」と話した。

国際知財権紛争の環境に迅速に対応し、企業の負担も軽減できる「懸案中心のモジュール型コンサルティング」も支援する。

紛争リスクの分析や契約書の分析など、当面した紛争課題に合わせて選択・申し立てができる。所要費用は800万ウォン~1,800万ウォン、所要期間も2カ月以内であるため、短期間・最少費用で紛争対応戦略を立てられるというメリットがある。紛争予防に対する深層コンサルティングを受けたい場合には「国際知財権紛争予防コンサルティング」に申し込めば、総合的かつ体系的な戦略を立てられる。

さらに、紛争に対する共同対応体系の構築に向けた企業間協議体も支援する。申し込みの資格は、中小・中堅・大企業の3社(中小・中堅企業が2社以上)以上で、知財権紛争の経験を共有し、共通の懸案の掘り起こしおよび分析・諮問などを支援する。

産業財産保護協力局のクォン・オジョン局長は「韓国企業が海外市場に進出するには、知財権紛争を予防する取り組みが必要だ。同事業が中小・中堅企業による輸出拡大と知財権紛争に対応する力量強化に貢献すると見られる」と述べた。

「国際知財権紛争対応の支援事業」の第1回目の申し込み期間は、4月6日~24日までで、支援費用などの詳細は「国際知財権紛争情報ポータル(IP-NAVIwww.ip-navi.or.kr)」で確認できる。詳しい内容は、特許庁産業財産保護支援課(042-481-5992)または韓国知識財産保護協会(www.kipra.or.kr、02-2183-5871~8、ipkipra@kipra.or.kr)で案内している。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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