知的財産ニュース 光学表面処理に関する特許出願が増加

2015年3月25日
出所: 韓国特許庁

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特許庁によると、最近、レジャー活動の増加、携帯端末機器の需要およびディスプレー産業の成長を受けて、レンズ・硝子などの光学表面処理技術に対する特許出願が急増している。ただし、その内容を見ると、韓国に対する日本の出願が国内より42%多く、国内企業の競争力確保が急がれていることが分かった。

光学表面処理技術の要は、画面やレンズなどがもっと鮮明に見えるようにすることだ。誰にでも日光によって携帯電話の液晶がよく見えず、不便な経験をした思いがあるだろう。また、寒い時期に屋内と屋外の温度差によってメガネのレンズや車のガラスが曇る現象は、時々安全を脅かす要因となる。

同分野において、この35年間(1979~2013)の国内特許出願は、計737件に上る。2000年までは年平均約4件だったが、2001年以降、約50件に大幅増加した。最近、キャンピング・マラソン・登山などレジャー文化活動の増加に伴う機能性レンズの需要や屋外で使う携帯端末機の増加、高品質ディスプレー産業の成長が影響を及ぼしたと見られる。(別添1を参照)

産業専門リサーチ会社のディスプレーバンクによると、光学表面処理の代表的な分野である偏光版用の表面処理フィルムの需要量が毎年8.7%ずつ増加し、2016年にはソウル面積の半分に該当する約3億㎡に上ると見込まれている。また、韓国産業研究院は、光学産業市場が年平均9.3%の伸び率を見せ、2015年には5,700億ドルの水準に上ると予測している。

日本(345件、46.8%)が最多出願国になったのは、先進的な光学材料技術および加工技術に支えられ、表面処理分野にまで研究開発を持続した結果だと思われる。そのほかの外国人出願は、米国、フランス、ドイツ、台湾の順だった。(別添2、3を参照)

主な出願技術としては、表面にナノ構造物を形成して反射光を散乱させる無反射基板、眩しさや目の疲れを防止するため、表面に反射防止コーティング層および紫外線遮断コーティング層を形成するレンズ、曇りを防止する親水性コーティング層を形成する硝子などがある。

特許庁のイ・ジヌク課長は、「最近、光学表面処理の分野において国内・国外の出願件数の開きが徐々に縮まっていることは望ましい現象だ。しかし、国内企業の技術レベルが外国企業に後れを取っていることは確かだ。専門人材の育成、高級技術の開発および強力な特許の確保による競争力強化が求められる」と述べた。

(別添1)光学表面処理技術に関する国内特許の出願動向(1979~2013)
(別添2)光学表面処理技術に関する国内・外国人の国内特許出願動向(1979~2013)
(別添3)光学表面処理技術に関する出願人別動向(1979~2013)
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