知的財産ニュース 出損研の特許を無料で提供

2015年4月1日
出所: 電子新聞

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科学技術分野の出損研究機関が、有している特許を中小企業に無償で支援する。国の研究開発(R&D)成果が民間に拡散すると見られる。

韓国科学技術研究院(KIST)は、1日、「2015上半期中小企業特許共有」において中小企業に特許を無償移転すると発表した。

KISTは、ディスプレー、電子、半導体、医療、化学、健康食品など特許64件を公開し、特許の譲渡を求める中小企業に無償で提供する予定だ。KISTは、特許譲渡を申し込んだ企業に対して審査をして、今月中旬に対象企業に通知する計画だ。特許の移転を受ける中小企業は、移転費用と年次登録料などの行政費用のみ負担することになる。

KISTは、中小企業の技術力を強化して創造経済を実現すべく、2013年から特許の無償移転を行っている。昨年は、102件を中小企業に譲渡した。今年も105件を中小企業に無償移転するという目標を掲げ、上半期と下半期に1回ずつ特許共有行事を行う予定だ。

KIST知識財産経営チームの関係者は、「KISTが年間700件程度の特許を出願しているため、すべての特許を保持するには無理がある。機関内で活用性が低い特許は、民間に無償移転することで成果の拡散を目指している」と説明した。

韓国エネルギー技術研究院、韓国電子通信研究院(ETRI)など、その他出損研も未活用特許の民間活用を拡大する特許共有に積極的に取り組んでいる。

エネルギー技術研究院は、先週、「エネルギー技術共有フェア」を開き、優秀技術45件と無償譲渡技術46件を公開した。エネルギー技術研究院は、中小企業の関係者とマンツーマンで相談を行い、技術移転などについて議論した。同研究院は、昨年にも特許67件を含めて技術移転の契約32件を締結した。

ETRIも特許共有に積極的だ。ETRIは昨年上半期に特許103件を中小企業92社に無償移転したほか、下半期にも情報通信技術振興センターと協約を締結して特許269件を中小企業186社に無償移転した。

クォン・ゴノ記者

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