知的財産ニュース 特許微生物寄託制度の運営以来、寄託件数が1万件を突破

2015年3月24日
出所: 韓国特許庁

4939

特許庁は、特許微生物寄託制度の運営を開始した1981年以来、特許微生物の累計寄託件数が1万件を突破したと発表した。特許微生物寄託制度は、バイオ分野の特許出願において発明の成果である微生物を公認の寄託機関に寄託させる制度だ。

特許微生物寄託件数が1万件以上の国は、米国、日本、中国など、数カ国に過ぎない。寄託件数1万件の達成は、バイオ産業分野において、未来創造科学部をはじめとする政府機関が遺伝資源の収集と活用を支援し、それと共に官民機関の研究者が数十年間重ねてきた努力の賜物だといえる。

現在、バイオ産業は、革新的な技術と創意的アイデアを基盤に基づいた未来有望新知識産業であり、創造経済のエンジンとして注目されつつある。その中でも特許微生物は、バイオ産業の最も重要な成果で、さらなる付加価値を創出することができる創造経済の中核的なDNAである。

実際、バイオ産業において特許微生物は、製薬、農食品、環境、エネルギーなど様々な分野で研究が行われており、その応用分野も無限大に広がる。

特許微生物の応用分野を見ると、製薬分野はワクチン・抗生剤などの開発、農食品分野は健康食品・微生物農薬・飼料などの生産、環境分野は汚染物質の浄化に活用している。エネルギー分野の場合、バイオ燃料の生産など新再生可能エネルギーの開発に欠かせない要素であるため、その重要性が強調されつつある。

資源に乏しい韓国の実情を踏まえると、産業上の利用可能性が高い微生物を開発し、これを活用して新たな付加価値を創出することで、創造経済を積極的にリードしていく必要がある。

特許審査3局バイオ審査課のイ・ミジョン課長は、「バイオ産業分野の競争力強化に向けて特許微生物に関する法令を整備し、寄託施設および特許微生物の管理システムを周期的に点検・補完するほか、制度のPRを強化するなど、関連分野の特許創出を持続的に支援していく計画だ」と述べた。

一方、特許庁は、「特許微生物寄託1万件達成の記念式」を開催(`15.3.25.韓国生命工学研究院微生物資源センター)し、1万件目の寄託者および累計最多寄託者(個人・企業)を励まし、特許微生物寄託機関の努力を労う予定だ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195