知的財産ニュース 韓国化粧品の中国内商標出願が低迷

2015年8月6日
出所: 電子新聞

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韓国の化粧品会社が最大輸出先である中国において商標・実用新案の出願活動を積極的に行っていないことが明らかになり、紛争対応能力を高めるべきだとの指摘が出ている。

大韓化粧品協会は7月31日、全国経済連合会会館にて「化粧品知的財産権保護セミナー」を開き、化粧品の知財権侵害紛争事例を共有するととみに対応策について議論した。

特許庁の後援で開かれた同セミナーで韓国知識財産保護協会のイ・ジュウン チーム長は、「韓国にとって中国は化粧品の最大輸出先にもかかわらず、中国における商標・実用新案の出願件数が少ないのが現状だ。貿易規模に見合う権利確保の努力が求められる」と述べた。

イ チーム長によると、去年、中国内商標ブロッカーによる商標先取り登録関連の訴訟件数は1,826件と前年比127.4%増加する等、デザイン・実用新案における無審査登録制度の隙を狙った紛争が急増している。

特に、中国人に人気のある韓国化粧品の商標とデザインを商標登録した後、先実施権者を相手に訴訟を提起する理不尽なケースも頻繁に起こっている。

イ・ジュウン チーム長は「先登録主義を悪用する商標ブロッカーに対応するためには、市場進出する前に先出願することが欠かせない」と指摘した。

特許庁の産業財産保護支援課のキム・ジョンワン事務官は、「韓国は、対中輸出規模では1位となっているが、中国内の商標出願では4位に留まっており、知財権担当部署の設置率も4.7%と低い。また、過度な時間と費用がかかり、対応力が劣っている」と指摘した。続いて、キム事務官は特許庁の海外知財権保護支援事業を紹介し、「現在、韓国知識財産保護協会と大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が共同で中国の北京、上海、廣州、広州、瀋陽等6カ国11カ所に海外知識財産センター(IP-DESK)を構えており、化粧品等知財権を巡る海外紛争への対応支援体制を整備している」と説明した。

チョン・ブジェ記者

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