知的財産ニュース 国立無形遺産院、「無形文化遺産と知識財産権」を発行

2015年1月29日
出所: 文化財庁

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文化財庁国立無形遺産院は、知的財産権をもって無形遺産の保護策について研究・調査した「無形文化遺産と知識財産権」を発行した。

無形遺産は、誰もが享受できる公共財として認識されているが、無分別な使用によって伝承者の権利が侵害されるだけでなく、無形遺産の原型が毀損されかねないという懸念の声が持続的に提起されてきた。このような問題意識から、国際社会ではユネスコと世界知的所有権機構(WIPO)を中心に2000年代初めからすでに知的財産権を活用した無形遺産の保護を目指して法制化を推進するなど、積極的な活動が進められている。

今回発行された「無形文化遺産と知識財産権」は、国際社会と足並みを揃え、無形遺産に対する公衆の自由な接近性を維持しつつ、発生可能性のある対立との調和について知的財産権の観点から模索するため、2011年から2年間進めた「無形文化遺産の保護・保存・活用を巡る知的財産権の役割」研究の結果を再編集・修正して発行したものだ。

主な内容は、無形遺産と知的財産権の概念をまとめた「無形遺産と知識財産権の意味」、知的財産権の分野別権利を無形文化遺産の保護の観点からまとめた「知識財産権を活用した無形文化遺産の保護」、無形遺産の研究において必要な倫理指針と政策を海外の事例をもって説明した「研究倫理および政策に関する海外事例」などだ。

国立無形遺産院は、これからも無形遺産と知的財産権の細部分野別の深層研究を持続的に実施して、その結果をシリーズで発刊し、関係機関との協業を介して関連分野の法・制度の改善に向けた政策参考資料として活用する計画だ。

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