知的財産ニュース 韓国の金融特許競争力…新韓銀行・BCカード・サムスン証券・サムスン火災がトップに

2015年1月20日
出所: 電子新聞

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韓国で業種別金融特許の競争力が最も優れているブランドは、新韓銀行、BCカード、サムスン証券、サムスン火災となった。

これは、電子新聞と特許情報検索・分析専門企業WIPSが国内では初めてこの21年間の金融業種別の特許出願現況を分析した結果だ。

今回行った金融特許競争力調査は、1994年1月1日から2014年12月31日の間に出願された特許を対象としており、金融監督院の金融統計情報システムの分類によるものだ。製造業や情報技術(IP)業などの分野で特許競争力調査が行われたことはあるが、金融分野で調査したのは今回が初めてだ。各金融会社の特許出願に関する現況と未来競争力を判断するバロメータになると評価されている。

同調査の結果、銀行分野では新韓銀行が1,144件(海外特許を含む)で、国内金融界では特許競争力が最も優秀だった。クレジットカード分野ではBCカードが182件、証券分野ではサムスン証券が113件、保険分野ではサムスン火災が26件でそれぞれの金融分野において特許競争力トップとなった。

その反面、特許競争力の最下位となったブランドは、光州・済州銀行(1件)、ロッテカード(1件)、NH投資証券・KB投資証券・IBK投資証券(1件)、キョボ生命・The K損害保険・未来アセット生命保険(1件)だった。

業界別特許出願の実績は、毎年減少傾向を見せている。グローバル巨大企業がフィンテック・ビジネスに向けて特許の確保に多大な投資と努力を投じている中、国内の金融会社はむしろ特許出願とインフラ投資を減らしている。

代表的な例として、この10年間銀行業界の特許出願数は10分の1に急減した。定量の比較のみで特許競争力を判断することはできないが、急激に変化し続けるスマート金融の環境で特許に対する投資と対応が全く行われていないことが分かる。セキュリティーの規制などが強化され、特許の確保よりはリスク管理などにもっと集中しているとの分析がある。実際、去年の銀行による特許出願件数は9件で、前年同期比13倍以上急減した。カード・証券・保険会社も状況は同じだ。

このような状況が継続すれば、国内の金融会社がパテントトロール(NPE)の新しいターゲットになり、危機に陥りかねないとの見通しもある。最近、金融機関の固有の領域だった支払い・決済の分野に通信キャリアとIT企業が相次いで参入したことで、本格的な領域の破壊が始まり、特許の重要性は増大してきた。

特許専門家は、官民合同で「金融特許競争力」の確保に向けた対応策作りが待ったなしの状況だと指摘した。ある海外特許専門弁護士は、「グローバルスマート金融市場は、すでにフィンテック・ビジネスに関する特許紛争に備えている。国内金融会社もできるだけ早く特許の確保などによる安全装置を用意しなければならない」と警告した。

キル・ジェシク記者、チョン・ミナ記者

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