知的財産ニュース 化粧品業界、急増する模倣品にシリーズ商標で対応

2015年9月24日
出所: 韓国特許庁

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最近化粧品業界では、韓流ブームに支えられたK-コスメティック(K-Cosmetic)に因んで、K-クッション(K-Cushion) とも呼ばれている「クッション(Cushion)」に係る商標出願が急増している。

特許庁によると、「クッション」関連化粧品の商標出願及び登録については、アモーレパシフィック、LG生活健康、ザ・フェイスショップ、エチュードハウス、エンプラニ等、主要コスメブランドを中心に2014年、前年比(109件)196%増の323件が出願された。登録件数も2014年時点で93件と、前年比182%増加したという。

特に、2015年8月末時点の登録件数は238件と、すでに2014年(93件)の2.5倍に達する等、化粧品業界でK-クッションバームが起きていることがうかがえる。

「クッション」化粧品関連の出願事例を見ると、LG生活健康が計216件と最多で、次いでアモーレパシフィック(181件)、ザ・フェイスショップ(54件)の順となっており、これらの大手による出願が全体の80%を占めている。

出願が増加した主な理由としては、韓流ブームの影響でK-コスメティックの人気が高まったことや、技術開発により品質が改善し、ブランド価値が向上したこと等が挙げられる。

かつては、特定の商品について一つの商標を登録したが、最近では人気商品のブランド盗用やミツー(me too)商品の発売等から模倣商標が増加していることを受け、オリジナル商標を保護するために、同じ種類の商品に対して複数のシリーズ商標を登録するケースが増えている。

※ミツー(me too)は、訳すると「私も同じように」という意味で、1位ブランドや人気ブランド又は競合関係にあるスターブランドを模倣し、そのブランドの人気に便乗して販売する目的から作られた商品のこと。

特許庁のチェ・ギュワン商標デザイン審査局長は「企業が苦労して開発した商品について多様な方法で保護を受けるためには、それぞれの商品に見合うシリーズ商標の登録を受けることで安全な保護網を構築することが重要だ」と強調した。

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