知的財産ニュース ゲーム市場の委縮により特許出願も急減

2015年4月15日
出所: デジタルタイムズ

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国内のゲーム市場が委縮したことで、ゲーム産業の特許出願件数も急減したことが分かった。

14日、韓国統計庁によると、昨年国内のオンライン・モバイルゲームに関する特許出願件数は合計232件で、前年比5.3%減少した。

国内のオンライン・モバイルゲームの特許出願件数は、2013年からオンラインゲーム市場の規模が縮小されたことで、昨年まで2年連続の減少を見せていた。2013年には、オンラインゲーム市場の規模が前年比19.6%減少し、同年の特許出願件数も42%急減した。昨年にはオンラインゲーム市場の規模が3.0%減少し、特許出願件数は5.3%減少した。

韓国コンテンツ振興院によると、2012年に190.6%の伸び率を見せたモバイルゲーム市場は、昨年4.2%の成長に止まった。オンライン・モバイルゲームの特許出願件数は、国内のゲーム市場が成長すると同じく成長し、委縮すると同じく委縮する傾向が見られた。

実際、オンラインゲームの成長により国内のゲーム市場規模が前年比18.5%増加した2011年には、特許出願件数も前年比80%増加した。しかし、ゲーム市場の伸び率が10.8%に減少した2012年には、特許出願件数が前年比4%減少した。2013年には、市場規模と特許出願件数がそれぞれ0.3%、42%減った。

国内におけるゲームの特許出願件数が減少傾向を見せている中、国内ゲーム業界の国際特許出願の実績も低迷している。

韓国特許庁によると、2011年から2013年の間、売上高上位20社が米国内で出願した特許件数は、18件に過ぎなかった。これは国内ゲーム市場が飽和状態となり、海外市場において突破口を開こうとするゲーム業界の動きとは対照的な現象だ。

専門家は、ゲーム業界が国内・国外における特許の確保に一層積極的に取り組み、国内・国外市場で発生し得る特許紛争に備えると同時に、類似したやり方のゲームコンテンツが溢れかえっている中で自社ならではの競争力を備えなければならないとアドバイスしている。

ゲーム業界の関係者は、「ゲーム市場が急成長を遂げた時期には、様々な国内業者が新規ゲームの開発に乗り出していたため、ゲームのやり方や駆動方法など関連技術の特許出願も活発に行われていた。今は、市場の成長が伸び悩み、ゲームの開発に直接手掛けるよりパブリッシング(配給)に重きを置く傾向が強まっているため、特許出願件数も減少したと見られる」と述べた。

キム・スヨン記者

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