知的財産ニュース 特許庁の「非正常な特許・商標の慣行改善」課題、政府の中核課題に選定

2015年5月14日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、2015年非正常の正常化100大政府中核課題として、特許庁所管の「商標ブローカー、特許の虚為表示など非正常な特許・商標の慣行改善」課題が選定されたと発表した。

これを受け、特許庁は、他人の商標を先に登録し、善意の商標使用者に和解金を要求する商標ブローカー行為や拒絶された特許を登録されたもののように表記し、消費者の誤解・混同を招く特許の虚為表示など、非正常な特許・商標の慣行の正常化に乗り出す。

最近、韓流ブームを追い風に海外展開する国内企業が増えている。しかし、韓国企業の海外進出が進むほど、海外の商標ブローカーの商標先取りなどにより被害に受けかねないという懸念も高まっている。中国の上海にあるIP-DESK(海外知識財産センター)によると、ある中国企業が韓国企業の商標125個を大量に先出願し、零細な中小企業の海外進出を阻まれるなど、大きな被害に遭いかねない状況となっている。このように、善意の商標使用者を狙う商標ブローカーによる被害が国内だけでなく、中国など海外にまで広がっていることから、海外の商標ブローカーから韓国企業を保護しなければならないという声が高まっている。

また、特許など産業財産権の経済的価値が見直され、オンラインショッピングモールやホームショッピング、新聞や雑誌などで虚為特許表示を利用した違法広告の事例が増えている。例えば、「特許登録00号」と表示してさりげなく出願番号を書いたり、出願後に拒絶されたが、特許登録されたように表示する等、様々な類型の虚為表示が横行している。このような特許の虚為表示は、製品の品質に対する消費者の誤解や混同を招き、公正な取引秩序を乱しかねないため改善が急がれる。

特許庁は、このような状況を課題に反映させ、従来の「商標ブローカー撲滅」課題に加え「海外の商標ブローカーによる被害の予防」と「非正常な特許表示慣行の是正」を新たに追加することで課題の範囲を大きく拡大し、今年から推進することにしている。

特許緒の関係者は、「韓国社会に横行している非正常な特許・商標の慣行を撲滅し、国民が知識財産権分野における正常化の成果を実感できるよう最善を尽くす」と述べた。

一方、特許庁は、知識財産権関連の非正常な慣行及び制度に関する国民の意見を聴取するために5月1日から5月31日まで「特許行政の制度改善に係わる提案の公募」を実施している。

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