知的財産ニュース 公正委、オラクルDBMSの「不公正契約」を是正

2015年4月28日
出所: 電子新聞

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公正取引委員会がグローバルデータベース管理システム(DBMS)企業のオラクルの「不公正契約」を是正する。オラクルがメンテナンス契約を締結する過程で次期商品を抱き合わせ販売し、部分メンテナンス契約を許容しないなど不公正取引行為をしたという判断からだ。

公正委のシン・ヨンソン事務処長は、28日、政府世宗庁舎で記者懇談会を開き、「この2月に構成した公正委‘ICT特別専従チーム’の第一制裁対象はオラクルになると思われる。審査報告書をまとめて委員会への上程を準備しており、早ければ6月~7月に制裁が確定する」と述べた。

公正委は、オラクルがメンテナンス契約の際に次期商品の購入を義務化したと説明した。国内企業・機関がオラクルDBMSをその他商品に買い替えできないようにすることで、市場支配力を維持したとの判断だ。オラクルDBMSの国内シェアは約6割に上っている。

公正委は、オラクルがメンテナンス契約を締結する際にシステム全体を対象にした事実も問題視している。不公正契約のため、消費者は必要としない部分のメンテナンス費用も支払わなければならないという説明だ。

シン処長は、「企業が購入したオラクルの商品の中ではメンテナンスが要らないものもあるが、(契約上)全体を一括してメンテナンスを受けなければならない。このような方法で顧客数を増やしている」と述べた。

公正委の制裁が確定すれば、国内のDBMS市場は大きな変化が生じると見込まれる。国内DBMS市場で「不動の首位」を維持してきたオラクルの地位が危うくなるのではないか注目が集まっている。公正委によると、オラクルの昨年の国内売上は8,175億ウォンで、このうちメンテナンス・ライセンスによるものが約6割を占めている。

外国勢が独占してきた国内DBMS市場だが、これからは韓国産のシェア拡大も期待される。国内DBMS市場は、オラクル、IBM、マイクロソフト(MS)が掌握し、韓国勢のシェアは昨年1割にも及ばなかった。

オラクルがグローバル政策を変えるかどうかについても関心が寄せられている。抱き合わせ販売と部分メンテナンス契約の禁止は、世界初のケースだ。他国で同制裁を基にオラクルに異議を申し立てることもできるだけにグローバル政策も変更可能性がある。ドイツのSAPは、昨年の公正委による制裁を機に世界中の顧客社の契約部分解約禁止政策を撤回した。

これについてオラクルは、「言及する内容がない。公正委の最終発表が出た後に立場を表明する」と述べた。

公正委は、現在調査を進めているクアルコムによる不公正行為の処理には多少時間がかかると見ている。公正委ICT特別専従チームは、クアルコムの特許抱き合わせ販売などについて違法性有無を調べている。

シン処長は、「クアルコムに関する事案は調べなければならないものが多く、行為の類型が複雑だ。年末までの処理を目指している」と述べた。

ユ・ソニル記者

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