知的財産ニュース 特許庁、「医療機器‐特許分類の連携表」を作成

2015年4月6日
出所: 韓国特許庁

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医療機器の特許出願および登録動向を算出できる新しい分類基準が提供される。

特許庁は、すべての医療機器を14の中分類および80の小分類に区分し、各類型と関連特許分類(IPC)を1:1にマッチングして「医療機器‐特許分類連携表」を作成した。

「医療機器‐特許分類連携表」は、医療産業で一般的に通用される医療機器の類型においてIPCの観点から作成した分類基準だ。医療機器産業と特許を関連付けて提供することで、医療機器メーカなどに各医療機器の類型別の特許出願、登録現況に関する情報を容易に提供できると見られる。

特許庁は、「医療機器‐特許分類連係表」を参考にこの10年間('05~'14)の医療機器特許の出願および登録動向も発表した。

このデータによると、この10年間の医療機器特許の出願は、計58,734件で年平均6.9%増加し、特許登録は計28,559件で年平均8.2%増加した。

中分類別で見ると、医療用品/器具、手術治療機器、治療用補助装置の分野で最も多い出願と登録が行われ、出願人の類型別で見ると、個人、外国、中小企業、大学/公共研の順だった。

各中分類別の主要出願人の類型を見ると、治療用補助装置とリハビリ用補助機器などでは個人、医療用品と整形用品などでは外国、医療情報機器では中小企業、生体計測機器と体外診断機器では大学/公共研が最も多い特許出願と登録をしたことが分かった。

出願人別で見ると、この10年間、医療機器分野における最多特許出願機関はサムスン電子、最多特許登録機関はサムスン・メディスンだった。

出願、登録いずれも上位10位にランクされた機関は計9カ所で、類型別では国内大企業が2カ所、大学/公共研が5カ所、外国企業が2カ所となった。
※(大企業)サムスン・メディスン、サムスン電子、(大学/公共研)高麗大学校、ソウル大学校、延世大学校、韓国科学技術院、韓国電子通信研究院、(外国企業)米キンバリークラークワールド、日ユニ・チャーム

中堅企業の中では、オステム・インプラントが最も多い特許出願と登録をし(出願/登録それぞれ14位)、中小企業の中では(株)JVMが最多特許出願(21位)、メガジェン・インプラントが最多登録(29位)となった。

中分類別の主な特徴を見ると、医療用品/器具は、吸収用品と水滴装置、医療容器を中心に14の中分類のうち最も多い出願と登録が行われ、外国企業が多出願および多登録で1位と2位にランクされた。
※米キンバリークラークワールド(出願1位、登録2位)、日ユニ・チャーム(出願2位、登録1位)

伸び率を見ると、出願は映像診断機器(13.33%)と手術治療機器(13.27%)、登録は体外診断機器(22.93%)と映像診断機器(20.08%)が最も高い割合で増加したことが分かった。
※麻酔呼吸機器分野の登録の伸び率は21.26%だが、登録件数全体(145件)が極めて少なかったため除外

その中でも映像診断機器の場合、最近サムスン・メディスンとサムスン電子による出願と登録が大幅に伸びたことが影響したと見られる。
※('12~'14、映像診断機器分野ベース)サムスン・メディスンとサムスン電子による出願は計820件で出願全体(2,204件)の37.2%、登録は計286件で登録全体(1,028件)の27.8%

特許庁医療機器審査チーム長は、「従来は医療機器と特許を連携できる分類基準がなかったため、企業が当該分野の特許動向をあまり把握できなかったが、これからは新しい分類基準を介して各分野における競合会社の分析、ライセンシング対象の掘り起こし、特許戦略の策定などに活用できる特許情報をもっと簡単に収集できると思われる。特許庁は、今後も同連携表を新しい特許分類であるCPCにまで拡大するなど、分類基準と統計を持続的にアップデートし、共有する予定だ」と述べた。

特許庁で提供する「医療機器‐IPC連携表」と関連特許出願および登録動向は、特許庁医療技術研究会のホームページ(http://www.kipo.go.kr/club/medicaltech外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、会員登録が必要)で閲覧できる。

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