知的財産ニュース 陸・海・空の3軍、「特許セキュリティー」に注力

2015年4月21日
出所: 電子新聞

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陸軍、海軍、空軍が「特許セキュリティー」に力を入れている。韓国国防部は、政府部処の中で知的財産(IP)インフランに対する関心が最も少ないと言われている。しかし、民間企業による軍事特許の侵害例など、安全保障に直結する特許訴訟が頻発していることを受けて、3軍においてIP担当の管理組織が立ち上げられた。関連技術の開発と特許出願などにより特許セキュリティー先進国を目指すとしている。

21日、3軍本部によると、3軍はIP管理の重要性と必要性を認識し、担当組織を作って関連特許を積極的に出願している。

3軍のうち陸軍が2012年6月、第一にIP管理担当組織を立ち上げ、空軍も2014年1月にIPチームを新設して8人の専門人材を配置している。これまで特許デザイン18件、商標権13件、著作権230件などを登録した。

空軍の関係者は、「軍のIPは、軍事に係わる新技術の保護と国防予算の削減など、経済的な軍運営の中核的な要素として注目されている。空軍はこれからもIPに対する認識を向上させ、徹底した特許管理により創造経済の実現に貢献するように取り組んでいく方針だ」と述べた。

海軍は現在、海軍本部軍需企画輸送課の傘下に4人の弁理士資格を有している将校を軸にした専門チームを運営している。昨年9月にはIP新規出願および国有特許の登録業務手続き、補償の規定を盛り込んだ「IP業務の実務指針書」を制定し、管理システムを改善した。

また、海軍イントラネット「知識財産e-learning」を開発し、兵士がそれぞれIPに対して学習できるようにした。これについて兵士個人出願した特許を職務発明として国有特許に移転したケースも3件あった。

海軍の関係者は、「2012年10月、海軍のIPを民間企業が特許として重複登録し、独占権を主張するケースがあった。今後、個人に対する特許教育をはじめ、特許管理組織に人材を投入し続ける計画だ」と述べた。

国防部が有している国有特許は計95件で、国有特許全体の3,709件のうち2.6%に該当する。全部処の中では最も少ない割合だが、軍用技術が特許として保護を受ける必要がある分野は、弾薬、GPS、通信、素材、化学兵器・放射能兵器など多岐に渡っている。その中でも放射能兵器の場合、放射能検知素子の設計技術と個人線量計・放射能測定器に関する特許が出願されており、素材は超高温炭素複合材料を活用した基礎素材の製造技術が中核特許とされている。弾薬も衝撃センサーの設計技術と圧電式の衝撃装置、自動車向けノッキングセンサーなど関連特許が適用されている。

特許庁でも陸軍・空軍のIP担当組織の新設および専門人材の選考を支援している。陸軍内に大韓弁理士会などを介して推薦された弁理士専門士官および兵士が服務している。

特許庁関係者は、「特許庁の情報ネットKIPRISのカテゴリに「軍事特許」を新設し、国防特許出願を促している」と説明した。

チョン・ミナ記者

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