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知的財産ニュース 韓国知財セミナー「韓国特許法の最新状況及び韓国知財紛争対応のポイント」を東京、大阪で開催しました。

2015年3月19日

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韓国知財セミナー「韓国特許法の最新状況及び韓国知財紛争対応のポイント」を開催いたしました。

朴槿恵大統領の主要政策として「創造経済」が掲げられた以降、知的財産に対する関心が益々高まっております。それを受けて2014年にも多数の法律改正がありました。また、韓国における知財制度は、最初は日本法の影響を受け、日本の制度と似ている部分が多いですが、最近は、欧米の制度も多く参考とする他に、韓国独自の制度の導入等を通じて発展しているため、日本の制度との違いも存在します。さらに、知財紛争につきましては、実務上注意すべきポイントが多々あります。そこで、ジェトロでは、去る2015年2月25日、26日の両日にかけて、東京、大阪にて韓国知財セミナー「韓国特許法の最新状況及び韓国知財紛争対応のポイント」を開催いたしました。
今回のセミナーには、東京・大阪合計約200名の方にご参加いただき、好評を博しました。この紙面をかりてお礼申し上げますとともに、セミナーの概要をご報告いたします。

セッション1:最新の韓国改正特許法及び実務上の運用

1. 2015年1月1日施行の改正事項

第一に、外国語PCT出願の場合、翻訳文主義から原文主義に転換されます。それによって、外国語PCT明細書等は、韓国特許法上の明細書等とみなされることになり、翻訳文は補正書として機能します。つまり、外国語PCT明細書は、先行技術及び先出願としての効果を持ち、翻訳文は審査及び権利設定の対象となります。誤訳訂正の手数料は、「71,000ウォン+クレーム数×22,000ウォン」となり、クレーム数ベースで算定されるのが特徴です。また、翻訳文について誤訳訂正を行うばあい、誤訳訂正と共に明細書に対する補正書も同時に提出する必要があるのでご注意ください。

第二に、明細書記載要件が簡素化されます。「発明の説明」を記載した明細書及び必要な図面を添付した願書の到達日が「特許出願日」として認定され、クレームを添付しなくても出願日が認められます。もちろん、所定期間(1年2か月)内にクレームを記載する補正を行わないと、特許出願はみなし取り下げとなります。

第三に、国内特許出願における外国語書面出願制度の導入です。言語については、現在、英語のみとなっています。基礎出願が英語明細書になっている場合において、翻訳文作成時間が足りない場合役立つと考えられます。誤訳訂正の要領、登録後の特許の訂正も外国語PCT出願と同じ、出願・誤訳訂正の手数料も外国語PCTのそれと同じです。出願書(韓国語)を作成する際、「出願言語」欄に「英語」と記載すれば、英語書面等(「発明の説明」、「請求の範囲」、「要約書」、「図面」)をともに添付することができます。ここで注意点は、各項目名は、韓国語で記載しなければならないことです(例:【Title of Invention】×/【발명의 명칭】)。

2. 2015年7月29日施行予定の改正事項

第一に、分割出願期間が拡大されます。特許決定後でも追加的な権利化が必要な場合があるにもかかわらず、従前は分割出願の可能時期に制限があるという問題がありました。改正を通じて現行法では特許決定後にはできなかった分割出願が、2015年7月29日以降に特許決定書を受領する全ての出願に対し、特許決定書の受領日から3か月(その間に設定登録料を納付した場合は、その納付日まで)まで可能になります。

第二に、新規性喪失の例外主張期間も拡大されます。出願時のみ新規性喪失の例外主張が可能だったのに対し、2015年7月29日以降の特許出願から出願時のみならず、補正可能期間及び特許決定書の受領日から3か月以内(登録料の納付日まで)にも可能となります。しかし、登録になってからは主張ができなくなり、むしろ、新規性なしの無効理由になってしまうので、ご注意ください。

セッション2:韓国における特許紛争はこう対応しなければならない

セッション2では、日本企業が特許侵害を受けた仮想事例をもとに、紛争時に、利用可能な制度として、大きく証拠確保のための制度、民刑事的な救済手段、審判制度、貿易委員会(KTC)及び税関の制度等を紹介しました。

第一に、証拠確保のために証拠保全制度の活用が協調されました。証拠保全制度とは、通常の手続きでは原告による証拠集めが困難な場合や証拠隠滅のおそれがある場合、予め裁判所が証拠を調査し、結果の保全を図る判決手続きです。日本企業にとって証拠保全制度の活用可能性が高いケースとしては、少数の製造業者にのみ供給される生産設備、市場で購入することができない原資料等が証拠になる場合があります。

第二に、民刑事的な救済手段としては渓谷状の発送にリスクがある一方で、訴訟の提起の方がリスクが少ないことを説明しました。侵害者に発送する場合は、刑事的には、特許権が無効又は権利帰属に争いがある場合、威力による業務妨害罪になる可能性があり、民事的には、非侵害又は特許が無効と確定される場合は、不法行為を理由にした損害賠償義務が発生しる可能性があるので、注意しなければなりません。顧客者に発送する場合は、刑事的には、信用毀損罪、営業妨害罪、民事的な場合は、不正等な権利行使だった場合、損害賠償責任を負いかねないので注意が必要です。一方で、訴訟提起は、憲法上認められた権利であり、警告状のようなリスクは殆どないとのことです。
訴訟提起時には、迅速性や効率性を考慮し、差止請求と損害賠償請求のうち、どちらが有利かを判断する必要があります。また、自社の特許有効性を再確認し、欠陥がある場合、訂正審判を利用して誤謬を直しておく必要があります。

第三に、裁判所以外にも、貿易委員会手続や税関の国境措置を利用することもできます。まず、米国の国際貿易委員会(ITC)と類似する貿易委員会(KTC)は、調査申請があった案件に対し調査を行い、問題があると判明された場合、是正措置、課徴金・履行強制金の賦課等の制裁を下すことができます。一方、税関では、韓‐EU FTAの影響で特許権(実用新案は含まれていない)、意匠権侵害の輸出入物品に対し通関保留が可能です。韓国制度の特徴は、貿易委員会と税関の両方を持っているという点です。ほとんどの国ではいずれか一方しかありません。両機関の相違点は、以下のとおりです。

税関

KTC

根拠法

関税法

不正競争防止法

対象知財権

特許権、商標権、意匠権、著作権、品種保護権、GI権

特許権、商標権、意匠権、著作権、GI権、営業秘密等

所要期間

KTC手続きに比べ短期間

6~10か月(暫定措置可)

執行手続

侵害物品の通関保留、

KTCの侵害判定で税関に協力要請

KTCの侵害判定は税関の職権通関保留の要件

担保要部

通関保留要請時、課税金額の120%短報提供

審査申請中に担保提供が不要(暫定措置申請時に担保提供が必要)

審理

税関長等

決定審議人(5人)の決定、関連機関の意見等を参考

KTC9人の多数決定権

鑑定人(主に弁理士)の鑑定書、関連機関の意見等を参考

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:浜岸、曺(チョウ)、柳(ユ)
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195

ご相談・お問い合わせ

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最寄りのジェトロ事務所にご連絡ください。

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