知的財産ニュース サムスン・アップル、「特許」が最大の武器

2015年7月13日
出所: 電子新聞

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グローバル市場においてサムスンとアップルが躍進を続けている理由は、強力な特許ポートフォリオにある。

IPノミックス報告書「サムスン電子、何を悩んでいるか」によるとサムスン電子は、去年、初めて年間特許登録件数は、5,000件を突破した。技術革新が加速していることがうかがえる。従来の半導体・通信中心の特許登録は、ハードウェアデザイン熱電及び光電素子医療装備バッテリー素材等、多様な分野に拡大させた。

サムスンが保有している米国特許の競争力も次第に高まっている。特許質的評価基準である「特許引用数」は、2005年以来上昇を続けている。増加ペースではIBMを追い越した。競合企業がサムスンの特許を引用する際に共に引用される特許も上昇する等、サムスンのグローバル特許市場への影響力も猛烈な勢いで拡大している。

図:企業別米国特許の保有現況

アップルも必要であればためらわずに特許を買い取ることで有名だ。新しい分野に進出する際や既存市場における防御が必要な際に、大規模の特許買い入れで活路を開いた。実際、アップルは、中核技術が必要となる度に、タッチパネル、通信、半導体分野を中心に特許を買い取ってきた。

IPノミックス報告書「アップル、次世代の武器は?」によると、アップルは過去10年間(2005~2014)、総計2,998件の特許を買い取った。2005年までは数件に止まっていたが、i-Phone発売以来、特許買い取りを爆発的に増やしたのだ。

サムスンとアップルの攻撃的な特許活動には、未来ビジネスが係っている。未来技術の先取りという目標に、特許の買い取り、登録、引用のネットワークが絡み合っているからだ。実際、特許登録が大きく増えた技術には共通点がある。特許登録が急増する1~2年前に、大量の特許買い取りや合併買収(M&A)が行われるという点だ。特許買い取りで中核技術を確保した後、自社登録を大きく増やし、参入障壁を高くするという戦略だ。

サムスンとアップルは、このような緻密なIPポートフォリオ戦略を基に、世界市場シェアを拡大している。

図:2015年度第一四半期 スマホメーカー別 営業利益のシェア、OS及びメーカー別営業利益及びシェア、2015年度第13四半期のスマホ販売量及びシェア、企業別米国特許の保有現況

ジュ・サンドン記者 sdjoo@etnews.com

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