知的財産ニュース 「氷を作る浄水器」を巡る訴訟…チョンホナイスが勝訴

2015年2月13日
出所: 電子新聞

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ソウル中央地方法院は、13日、チョンホナイスが自社の氷を作る浄水器に係わる特許技術を侵害したとして、COWAYを相手に100億ウォンの賠償金を請求する特許権侵害訴訟において、チョンホナイスの勝訴判決を言い渡した。

ソウル中央地方法院民事11部は、「COWAYがチョンホナイスの“氷を作る浄水器”の特許を侵害したと認められるため、COWAYの特許侵害商品および判商品、生産設備を廃棄し、損害賠償の1次請求額100億ウォンの全額および訴状副本の送達日(‘14.4.25.)から延べ20%の遅延損害金を賠償することとする」との判決を言い渡した。COWAYの氷を作る浄水器がチョンホナイスの特許を一部侵害したとの判断だ。

チョンホナイスは、「裁判部の判決は、毎年、売上高の約7%を研究開発に投資して技術力の向上に最善を尽くしているチョンホナイスの努力を踏まえると当然の結果だ。他社の特許技術を侵害して利益を追求することは企業倫理に反する行為なだけに、決してあってはならない」とコメントした。

COWAYは即時控訴する構えだ。COWAYは「当該商品は、すでにCOWAYで2012年に販売を中止したもの(’12.6.~12.)で、浄水器の営業には全く支障がない。販売中止となった商品にまで訴訟を起こし、トップ企業叩きを企むチョンホナイスの動きに懸念を示している」と説明した。COWAYは、「今回の控訴により、冷水と氷を同時に作る密閉型に設計されているチョンホナイスの商品とは異なって、COWAYの浄水器は、浄水タンクが分離されていて内部の清掃が容易だという点など、自社商品のメリットを広く知らせていく計画だ」と付け加えた。

COWAYとチョンホナイス間の訴訟は、昨年4月に始まった。チョンホナイスは、COWAYが2012年に発売した氷を作る浄水器「自ら殺菌」がチョンホナイスの「イグアス浄水器」の冷温浄水システムを模倣したと主張し、提訴した。チョンホナイスは、2006年、イグアス浄水器を発売し、一つの蒸発機で製氷と同時に冷水を作る冷温浄水システムを特許登録した。

チョンホナイスは、「正確な損害金額は、算定作業が必要となるが、現在のところ約660億ウォンに上ると把握している。まず、推定損害額の一部として100億ウォンを請求したもの」と述べた。

ソン・ヘヨン記者

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