知的財産ニュース ノーベル物理学賞の受賞者、青色LEDに関する過去の特許訴訟が話題

2014年10月9日
出所: 電子新聞

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日本で、今年ノーベル物理学賞を受賞した科学者に係わる過去の特許訴訟が話題となっている。

日経新聞は、青色発行ダイオード(LED)の開発に貢献したことが認められ、ノーベル物理学賞の受賞者となった日本の科学者に係わるかつての特許訴訟を紹介した。今年の受賞者は、米カリフォルニア大学の中村修二教授、名城大学の赤崎勇教授、名古屋大学の天野浩教授だ。

初めて窒化ガリウムを原料とした青色LEDの開発に乗り出したのは、赤崎教授だ。師弟関係にあった天野教授も参加した。赤崎教授は、1980年後半、豊田合成の新技術開発事業グループと一緒に開発に取りかかった。その後、中村教授も日亜科学工業の在職中に類似した原料に注目し、研究を急速に発展させた。その結果、1993年11月、当時世界トップ水準の明るさを実現する青色LEDの量産技術の開発に成功した。

技術開発の過程において両側は、多数の特許を出願してお互い特許侵害を主張する特許訴訟が始まった。1996年、日亜化学工業が豊田合成を提訴した。1997年には逆に豊田合成が日亜化学工業を提訴した。2000年、東京地方裁判所は、日亜化学工業側の勝訴と判決を下し、豊田合成の商品について販売差し止めを命じた。その後、2002年に全ての訴訟を取り下げてお互いライセンス費用を支払うことに合意し、両社の特許紛争は終了した。

しかし、中村教授は、日本産業界において職務発明の議論を呼んだ新しい訴訟を進めた。1999年、日亜化学工業を退職した中村教授は、2001年、同社に青色LEDを発明した代価を求める訴訟を提起した。2004年、東京地方裁判所は、日亜化学工業に発明の代価として200億円を支払うことを命じ、産業界に衝撃を与えた。

中村教授と日亜化学工業は、2005年に会社側が8億円程度を支払うことで和解した。しかし、産業界では技術を発明した職員が代価を求めるケースが相次ぎ、日立製作所、味の素などが技術開発費用を支払った。

類似した訴訟が相次いだ日本では、最近企業内で発明された技術などの特許権を企業に付与し、発明者に補償をする規定を盛り込んだ特許法の改正を進めている。今後、改正案が成立して法律に基づいた基準が設けられると、関連訴訟は消滅すると見られている。

キム・チャンウク記者

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