知的財産ニュース 中国の実用新案制度、有効な活用が重要
2014年10月1日
出所: 韓国特許庁
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最近、中国の実用新案制度に対する関心が高まっている。
中国の実用新案の場合、出願後5カ月(特許は最小23カ月)で権利を得られる上、出願費用も特許の半分くらい(特許950元、実用新案500元)だ。さらに特許と実用新案を同時に出願した後、必要なときに特許に変更できるといったメリットもある。
中国の実用新案に対する韓国企業の出願が数年間停滞している間、日本や米国などの主な外国企業は、中国での実用新案出願を急速に増やしている。特に日本の場合、最近4年間(2010~2013)、中国での実用新案出願の平均伸び率が87.3%に上るくらいの急成長を見せている。その反面、韓国は、平均伸び率が2%で、2013年度の出願件数も253件に過ぎない。
特許庁が2014年1月から7月まで中国の統計を分析したところ、中国内の実用新案出願件数の合計は、前年同期に比べて約6.9%減少した。内国人の出願は7.1%減少した一方、外国人の出願は11.1%で大幅の増加を見せた。
米国、日本などの主な外国企業が実質審査の過程を省略して権利を発行している中国の実用新案制度について問題提起をしながらも、中国での実用新案出願の件数を増やしているのだ。
これは、特許に比べると中国の実用新案権利の保護期間が10年と短いが、割安のコストで迅速に権利を確保できる上、技術の変化が速いという点を踏まえると充分な時間であるとの企業側の判断が作用しているためだと思われる。
特許庁国際協力課中国担当のイ・ジョンギ書記官は、「最近、韓国企業が中国の実用新案による被害を訴えるケースが増えつつある。中国の知財権制度のうち、実用新案制度の有用なところを最大限活用して実用新案出願を拡大するなど、中国内の知財権紛争に予め対応する戦略が求められる」とアドバイスした。
参考資料:中国における実用新案出願の統計
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