知的財産ニュース サムスン、米控訴裁判所から不利な判決が相次ぎ

2014年5月15日
出所: 電子新聞

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サムスン電子に不利な判決が米国の控訴裁判所で相次ぎ、今後のサムスンの対応に注目が集まっている。

サムスン電子がアップルを相手に米国貿易委員会(ITC) に提起した特許侵害の提訴が原審に続き、抗告審でも棄却された。一方、同日、米国の消費者団体がサムスンなどを相手に提起したメモリーカードの反トラストの抗告審ではサムスンの主張が受け入れられた。

15日のロイターなどの外国メディアによると、米連邦控訴裁判所は、14日、サムスン電子が提起した抗告を棄却し、「アップルはサムスン電子の特許3件を侵害していない」という原審の判断を維持した。

しかし、控訴裁判所は、抗告審の判断の理由については説明をしなかった。

ITCは昨年6月、サムスンが問題とした特許4件のうち1件にだけアップルが侵害したと判定したが、この特許は、抗告審では審査の対象ではなかった。

ITCは、侵害判定が出た特許1件を根拠に、アイフォン3G、3GS、4と第3世代移動通信のアイパッド、アイパッド2について輸入差止め決定を下したが、米政府が昨年8月、「必須標準特許(SEP)に基づいて輸入を差止めることは困難である」として拒否権を行使し、サムスンが控訴した。

この日の連邦控訴裁判所は、メモリーカードのカルテルの抗告審は「理由あり」と判断して下級審に戻した。

米消費者団体は、2001年、サムスン電子を初め、パナソニック、サンディスク、東芝などが米国内の市販メモリーカードの販売価格を事前に談合したとして、反トラスト法の違反であると提訴した。しかし、米国サンフランシスコ裁判所は、翌年、この訴訟について棄却決定を下した。

この日、巡回控訴裁判所は、「被告企業が市場の7割を独寡占している状況で、前の裁判所が反トラスト法上4年の告訴時効を適用することは間違っている」とした。

この事件を担当した控訴審の裁判長は、同日開かれた第3回目の裁判で、「被告側のメーカーがSDカードを販売する度に、毎回違法行為が行われた。消費者の被害を事前に予見できなかったことにより、被告に無罪を推定することはできない」とコメントした。

原告によると、サムスンなどの被告は、2006年、パナソニックや東芝などといわゆる「公正な市場価格」というのを定め、SDカード販売価格を談合し、他社の製品にはロイヤルティを科すことに合意した。

リュ・キョンドン記者

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