知的財産ニュース KIPO、単位バンク制に「知識財産学」専攻開設

2014年5月30日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、生涯教育単位バンク制標準教育課程において、31科目に構成された「知識財産学」の大学専攻を開設すると発表した。

これで、知的財産分野に関心があれば、誰でも「知的財産」を専攻とする「学士学位」取得ができるようになった。

知識財産学の専攻は、知識財産の概論、特許法、技術経営論など、専攻必須10科目と、発明の理解、知的財産の出願実務、物理学などの専攻選択21科目で構成されている。

単位バンク制は、大学と同様に1科目(45時間)を受けると3単位が認められ、計140単位を所得すると、学位取得に必要な年数とは関係なく、学士学位の取得が可能だ。

第2次国家知識財産人材育成総合計画(2013年1月、韓国特許庁)によると、2013年から2017年まで、93万人の知識財産教育需要の発生が見込まれ、そのうちおよそ8万人の専門人材(知的財産管理・サービス人材)の育成が必要だと推定している。

現在、国内の知識財産関連の教育課程は、クァンウン大学やキョンギ大学など14校が運営しているが、2013年ベースで在学生の数は1000人を切る。また、教育のカリキュラムも理系科目と法律科目を統合できず、理系、または法学のどちらかに中心が置かれていて、市場が求める人材の育成には限界があるという指摘があった。

これを受け、韓国特許庁では、今回の専攻開設により、増えつつある知的財産人材へのニーズに対応して教育のカリキュラムも理系科目と法学科目がバランスよく勉強できるようにし、知的財産市場に適合した人材を育成すると計画だ。

韓国特許庁国際知識財産研修院のビョン・フンソク院長は、「大学において、まだ定着されていない知識財産学を生涯教育というレベルで、単位バンク制に専攻開設を推進した。増えている知的財産分野の人材を安定的に受給できる枠が構築されたことを意義深く思う」と述べた。

韓国特許庁は、今回の専攻開設が知的財産分野に従事している人材の学位取得だけでなく、キャリアが断絶されている女性、軍の将兵、第2の人生を準備する人にとっても、知的財産分野に挑戦する機会になると期待している。

専攻科目は、韓国特許庁国際知識財産研修院において、今年下半期から開設される予定だ。

来年は、韓国発明振興会など国内知識財産教育機関からも受講が可能で、e-learningで受講できるように取組んでいるという。

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