知的財産ニュース 「模倣品流通根絶の総合対策(案)」、知財委で審議・議決

2014年12月16日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、模倣品の流通を撲滅するため、取り締まりの執行力を強化し、知財権を尊重する文化を作ることによって、国家ブランドの向上に貢献する。

模倣品は、韓国企業の売上低下などの被害をもたらし、国のイメージにもネガティブな影響を与えている。

国内で流通される模倣品は、主に中国を通して製造・搬入されるもので、最近はネット通販の市場規模が拡大したことで、犯罪回避が容易なネット上で流通される模倣品の規模も拡大されているほか、粗末な品質の模倣品は、国民の健康・安全にも脅威をもたらす要因となっている。

さらに、消費者の89.6%は、模倣品だと知っていながらも購入していて、まだ模倣品の購入が誤った行為だという認識が足りない状況だということが分かる。

従って、特許庁は様々なルートによって流入・流通される模倣品を有効に遮断し、取り締まりの執行力を強化するほか、国民の認識を向上させる新しい対案を策定・推進する計画だ。

まず、特許庁と関税庁は、海外にサーバーをおいて国内搬入を試みるネット通販サイトなどについて、共同取り締まりを行い、模倣品の取り締まりを強化することにした。

外交部は、韓中知財権二国間協議において、国内の主要ブランドの保護を優先議題に選定し、国内有名自動車の部品、衣類、食品ブランドに対する模倣品の国内流入を予め遮断するとの計画だ。

また、政府を上げて取り締まりシステムを構築し、模倣品に対する取り締まりの執行力を高める。

知識財産委員会(以下、知財委)は、執行機関が連携された全政府レベルで模倣品の流通根絶年間実行計画を立てた。特許庁は、大規模の製造・流通事犯に対する企画捜査を執行し、警察・自治体は、地域別で流通の頻発地域における共同取り締まりを施行する。検察は同種類の前科のある模倣品事犯に対して、原則的に懲役を求刑するなど、慢性的な侵害者の再犯を防止する。

さらに、知的財産を尊重する文化の拡散に向けて、「偽物OUT、本物OK、一万家族リレー」キャンペーンを展開し、全国の児童・生徒を対象に「偽物によって日常生活の中で感じたもの」というテーマで作文コンテストを開催するなど、知財権を尊重する文化の拡散に取り組む。

最後に、模倣品根絶に関する意識教育を強化する。児童・生徒を対象に知的財産の保護教育を施行し、知的財産の尊重する社会的倫理意識が高まるよう、基礎教育を強化するほか、消費者の安全および権益の増進に向けて、教育専門機関とともに模倣品の撲滅および実践運動も展開する予定だ。

今度、総合対策を進めるために特許庁と知財委、外交部、法務部、教育部、検察庁、警察庁、放送通信委員会、関税庁、食品医薬品安全処などの関係機関の意見を収集した。

同対策が有効に施行されれば、模倣品による被害の減少がブランドのイメージおよび正規品市場の拡大などに前向きな影響を与えると見られる上、韓国の知財権保護水準に対する国際社会の評価も高まると期待されている。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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