知的財産ニュース 医療機器産業の特許競争力の向上策を策定

2014年12月4日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、医療機器産業を未来有望産業に育成するため、「医療機器産業の特許競争力の向上策」を策定し、来年度から本格的な支援に乗り出す。

高齢化によって健康に対する関心が高まっている中、医療機器は成長可能性の高い未来産業として浮上しつつある。しかし、国内医療機器産業は、狭い内需市場と零細な企業構造によって、Johnson & Johnson、GEヘルスケア、メドトロニックなど海外のグローバル企業に比べて市場競争力が立ち遅れている状況だ。

知財権の観点から考えると、医療機器分野の国内出願は全体的に増加傾向にあるが、知財権に対する中小・中堅企業の認識は依然として不足している。また、米国内で医療機器分野に対する韓国出願は、全体の1.8%に過ぎず※※、国際市場での特許競争力がなく、グローバル企業の知財権攻勢に非常に脆弱な状況だ。

※国内出願(件):(‘04)3,849 → (‘10)4,193 → (‘13)6,910 (年平均6.7%↑)

※※米国の医療機器有効特許(56,994件)のうち米国(33,533件)の他、外国人出願(23,460件)のうち、韓国は4%(1,038件、全体の1.8%)に過ぎない状況(日本8,746/40%、ドイツ3,861件/17%)

同策は、国内の医療機器中小・中堅企業が国内・国外で特許紛争が発生した際に備えて、特許競争力を有するように支援する内容が中心となっている。そのため、市場進出の成功に向けた特許の創出・保護・活用支援およびIPに対する認識向上に向けたインフラ構築、良質の審査サービス提供を3大推進戦略に選定した。

代表的な推進課題としては、類型別にIPC(国際特許分類)をマッチングし、特許出願動向の動向に関するDBを構築することで、医療機器業者が求める分野の特許情報を適時に提供するようにした。また、原州や五松など5カ所の医療団地および関連協会を中心に「(仮称)知財権協議体」を結成し、特許紛争の相談、知財権コンサルティングおよび教育など、多様な交流も進める予定だ。

特許庁内部でも医療機器分野の審査基準作り、審査ガイドブックの作成、現場中心の新技術教育の実施などによって良質の審査サービスを提供し、国内の医療機器中小・中堅企業が良質の特許権利を確保できる基盤作りへの取り組みを実施する。

特許庁医療技術審査チーム長は「医療機器産業は、様々な分野のハイテックが集約されているだけに、技術的に参入へのハードルが高い産業だと言われているが、逆に考えると、韓国企業が強力な特許競争力を確保できれば、グローバル企業と競争することもできる。企業自ら特許競争力を確保する力を備えられるように支援し、成功例を導き出して拡散させていきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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