知的財産ニュース キャノン、「感光ドラム」の特許訴訟で韓国企業に勝訴
2014年7月24日
出所: 電子新聞
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キャノンと韓国プリンターメーカーであるアルファケムの「感光ドラム」プリンターに関する特許権訴訟がキャノンの勝訴をもって終了した。この結果により、韓国のプリンター部品産業全体が破産の危機に迫られている。
24日、韓国の大法院1部は、キャノンが韓国の感光ドラムメーカーであるアルファケムを相手取って提起した損害賠償請求訴訟の上告審において、原告の一部勝訴を判決した原審を確定した。
大法院は「アルファケムがキャノンの特許権を侵害した事実が認められる。アルファケムはキャノンに対して15億6,400万ウォンを損害額として賠償すること」を判示した。
そして「アルファケムによる特許侵害の是非判断や損害賠償額の算定方法に関する原審の判断は、法理誤解の間違いがない」と明らかにした。
キャノンは、レジャープリンタートナーの重要部品の一つである「感光ドラム」を搭載する際に使われる三角形のギア装置の製造法をアルファケムが盗用したとして、特許権訴訟を提起した。
これに対して、第1・2審は「キャノンの特許商品に対する新規性または進歩性が否定されない」とした。
キャノンは2001年から感光ドラムを供給しつつ、三角ギアの部品も提供してきた韓国企業に対して相次いで訴訟を提起し、勝訴した。
業界の関係者は「現在、アルファケムを始めとするほとんどのプリンター部品メーカーは、訴訟の影響で深刻な経営難に陥っている。特に、今回の判決により、産業界全体が壊滅の危機に追い込まれつつある」と述べた。
ソン・ヒョンヒ記者
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