知的財産ニュース 信用保証基金の知的財産保証制度、知財・技術金融分野の雇用創出効果が優秀

2014年9月15日
出所: 信用保証基金

4727

信用保証基金(以下、「信保」)は、アイデアと技術力が優秀な知的財産(IP)の創出・保有企業を支援するため、この1年間運営してきた知的財産保証制度に対する成果を分析し、これを基に同制度を拡大運用する予定だ。

IP保証制度は、優れた技術力があるものの資金が足りないためIPを創出・移転して事業化する企業およびIPを保有しているものの担保がないため事業化に難航している企業などを対象にIP創出事業の妥当性とIPの価値を評価した後、所要資金を支援する信保ならではの特化したIP・技術金融保証商品のことで、2013年5月に導入された。

特に、計30億ウォン以内の範囲で、従来の保証金額のほかにも15億ウォンまで別途限度額が設定されているため、創業初期段階にアイデアを商品化したい企業、担保不足によりIPの事業化に難航している企業にとっては、新たな資金支援ルートとして評価されていた。

IP保証制度に対する成果分析の結果をみると、信保は、制度を導入してから今年8月末まで1,047社に2,471億ウォンの保証金額を供給し、1社当たり平均2億4千万ウォンに上る保証を支援した。

注目すべき点は、信保のIP保証の支援により、企業成長の代表的なバロメーターである雇用数が大幅増加したことだ。個別企業に対する全数調査の結果、1,098人の優秀技術人材が追加雇用となり、1社当たり少なくとも1人以上、保証金額1億ウォン当たり0.44人の雇用創出効果があることが明らかになった。

信保の一般保証による雇用創出効果が保証金額1億ウォン当たり0.26人であることを考えると、IP保証による雇用創出効果が非常に優秀だということが分かる。また、IP創出企業の場合、優秀技術人材の採用に重点が置かれるという人的構造の特性を考えると、雇用の単なる量的増加だけでなく、雇用の質も高いものと見られる。

一方、IP保証制度は、財務諸表や担保力の評価というかつての与信慣行から離れ、企業のIP・技術水準を評価し、成長可能性を中心に審査しているため、制度導入の当時、リスク管理に困難が生じかねないと懸念した一部の意見にもかかわらず、実際、回収困難になった事例は3社、8億ウォンに止まった。

そのため、IP保証制度が最近議論になっている金融界の事なかれ主義を打破し、IP・技術金融をリードする金融政策分野の代表事例になると期待されている。

信保は、今回の成果分析の結果により証明された商品の優秀性と政策的重要性を反映して、優秀なIPを保有している企業に対しては、信用度が多少衰弱しているとしても保証支援を受けられるように改善するほか、産業間の融合・複合の傾向を考慮して業種制限を廃止した。さらに、制度導入の当時から合計限度額3千億ウォン以内で限定的に運用されていた制度を全面変更し、合計限度額を1兆ウォンに増額することでIP・技術金融の活性化を通じて創造金融を積極的にけん引するとの計画だ。

信保のソ・グンウ理事長は「今回のIP保証制度に対する成果分析の結果、優秀人材の雇用創出効果が優秀で回収困難の事例も少ないことが明らかになり、制度を拡大運用することになった。今後もIP創出・保有企業を対象に積極的で特化したサポートを行い、創造経済を後押しするIP・技術金融の支援機関としての役割を充分に果たしていきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195