知的財産ニュース 特許管理会社IV、韓国特許1200件買収

2014年1月14日
出所: 電子新聞

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グローバル特許管理会社第1位のインテレクチュアルベンチャース(IV)が破綻や買収合併(M&A)に大量に売却された韓国の特許を集中買収したことが分かった。

14日の廣開土研究所によると、世界最大の特許管理会社IVが公開した特許のなかで、約1200件の特許が韓国特許庁に登録・出願されていた。この特許を利用して大規模な訴訟に乗り出した場合は、韓国企業にも被害が及びかねないため、対策が急がれている。

IVが保有した特許のなかで361件は、ハイニックス(現SKハイニックス)非メモリー事業部門が分離して新たに設立された「マグナチップ」に関する特許だった。この特許は、最初出願人がマグナチップ・ハイニックス半導体・LG半導体・現代電子・現代半導体・金星エレクトロンなどの特許で、現在の所有・管理はIVが行っている。

マグナチップ関連の特許以外にもIVは、様々な分野の特許を買収・管理していた。韓国に登録された特許のなかで、IVの特許ポートフォリオに含まれた特許は、個人の出願人から大学、研究所、中小・中堅企業、大手企業まで様々だ。韓国科学技術研究院(4件)、エネルギー技術研究院(2件)、機械研究院(1件)の特許がIVの特許ポートフォリオに入っている。韓国大学の産学協力団などが出願し、現在はIVが管理している特許も4件ある。

IVが保有している韓国の特許の大半はIT関連特許で、IVが訴訟に乗り出した場合、国内のIT業界にも多くの影響を与える。IVに勤務したことのある業界の専門家は、「特許買収のなかでも特に韓国で積極だったのは、IVが運用ファンド「発明買収ファンド(IIF)」だった。IT企業に投資してつくったファンドなのでITに関心が高かったのだ」と説明した。IVは、発明ファンド意外に、発明化学ファンド(ISF)、発明開発ファンド(IDF)などを運用したという。

大韓弁理司会のチョン・ジョンハク副会長は、「企業を買収合併するか、分社・破綻しても特許は残る。知的財産権関連のトラブルを回避するためには、徹底した追跡と管理システムが求められる」と強調した。さらに、特許関連係争の回避には、きちんとした特許所有権管理か、特許管理者に移転した特許の動向分析が必要だと説明した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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