知的財産ニュース SMART 3活用戦略コンファレンスが開催

2014年4月17日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁と韓国発明振興会は、4月16日、大学や国のシンクタンク、企業の知的財産の担当者などを対象に、知的財産経営の能力向上を図るほか、優秀な活用事例の共有を目的に、特許分析評価システム(SMART 3)活用戦略コンファレンスをテジョンで開催した。

※特許分析評価システム(SMART 3(System to Measure, Analyze and Rate patent Technology 3)

「特許分析評価システム(SMART 3)」は、韓国と米国の特許を迅速かつ簡単に自動分析して評価を行うシステムとして、2009年に韓国発明振興会が開発し、2012年サービスが開始され、2013年まで、計118の機関(法人や企業を含む)が約13万件の特許分析評価サービスを受けた。

今回発表された特許分析評価システムは、昨年における公開特許の分析サービスと出願人の名称の標準化、データのまとめ作業を経て、より安定的で信頼性のある特許分析評価情報をユーザーに提供できるようになった。

特許分析評価システムは、大学や国のシンクタンクを中心に、登録料管理のための特許の維持・放棄決定や、民間の技術取引会社の特許取引・特許使用契約のための特許評価などにも使いやすいと評判だ。

さらに、金融界が求める知的財産・技術の価値評価の判断資料として企業の特許分析評価情報を提供することで、知財金融の活性化を後押ししていると評価されている。

特に、今回の行事では、大学の産学協力団や、公的機関、金融機関で特許分析評価システムを活用した優秀な事例を発表する場を設け、参加者に役立つ情報を提供した。

今回のコンファレンスで一番目に発表したソンキュングァン大学の産学協力団パク・ユンギュ責任は、「特許分析評価システムを通じて、大学所有の特許を効率的に維持・管理しており、技術移転・売却のための潜在需要企業の発掘にも使い勝手がよく、相当な技術移転の成果もあげられた」と述べた。

また、鉄道技術院のチョ・セヒ室長は、「韓国型高速列車の競争力強化を図るために、そして、R&Dの企画段階からコア特許の創出を狙っていて、世界の競合機関のコア特許とオリジナル特許の常時分析を行う際に特許分析評価システムを活用している。また、未活用特許の権利放棄のための適正評価手続きとしても利用していて、知的財産の競争力の確保をはじめ、知的財産権の管理の面でも非常によいツールになっている」と述べた。

最後に発表した信用保証基金のキム・ソンウォンチーム長は、「去年、特許分析評価システムの評価情報を利用して約260社に508億ウォンの知的財産優遇保証を行った」ことを事例として紹介した。

今回の行事を主管したキム・ヨンミン長官は、「特許分析評価システムの信頼を高めるために品質管理の充実化を図り、ユーザーの個別ニーズに合わせたポートフォリオ分析サービスなど、機能を見直してワンランクグレードアップされたサービス提供のために取組んでいく」と述べ、

「公共の特許分析評価サービス提供を通じて構築された市場が様々なビジネスモデルにつながり、民間領域に拡大・発展できるよう支援する構えだ」と今後の計画を話した。最後に、「特許分析評価情報を金融機関の企業評価システムと連携する作業を今年の上半期にまで完了して市中銀行の知的財産金融活性化の基盤を設けたい」とコメントした。

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