知的財産ニュース 半導体回路の露光技術、極紫外線に世代交代

2014年3月5日
出所: 韓国特許庁

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次世代半導体回路の微細パターン製作技術が極紫外線露光技術にシフトしつつある。

半導体回路の露光技術は、減光材料の光を調査して微細回路を刻む技術で、短い波長の光源を使用すればするほど、より微細なパターニングが可能となる。これは、ウェハー1つ当たりどれほど多くのチップを取られるかと関連したもので、半導体チップの化学と性能を決定する技術だ。

現在まで、次世代半導体の微細回路パターンは、弗化アルゴン(ArF)レジャー(波長は193nm)光を液体層に透過させて有効波長を減らすことにより、解像度を増加させる液沈露光が主流となっている。こうした液沈露光は、ダブルパターニングを適用したとしても、DRAM、NANDフラッシュの製造において20ナノ台のパターニング技術より微細にはできなかった。

それが最近では、モバイル技術の爆発的な成長とともに、3D積層技術が適用された低電力で高性能な半導体チップへの需要増加により、10ナノ台の微細パターニングが可能な量産技術として極紫外線(EUV)(波長は13.5nm)を光源として利用する極紫外線露光技術が次世代露光技術として浮上している。

また、最近は、極紫外線露光関連の出願がパターン工程や反射型マスク、減光性材料などの商用化工程に集中され、液沈露光から極紫外線露光に中心軸がシフトし始めたことが伺える。

韓国特許庁によると、2006年から2013年まで、国内で出願された極紫外線露光関連の特許出願は計342件で、2008年から極紫外線関連の出願件数が液沈露光関連の出願件数を上回っている。

極紫外線分野の最多出願人はSKハイニックスで、調査期間中86件を出願した。ASMLが35件、旭硝子31件、カールツァイス25件で、サムスン電子は21件で6位となった。

注目すべきところは、この分野における韓国企業の活躍ぶりだ。光源、光学系、減光性材料分野ではドイツ、オランダ、日本企業が優位を占めているが、反射型マスク、パターン工程分野ではSKハイニックスとサムスン電子があわせて6割以上のシェアを占めており、メンテナンス/検査分野でも3割以上のシェアを占めている。

韓国特許庁の関係者は、「極紫外線を利用した半導体製造工程技術においては、韓国の半導体企業が主導権を握ると予想されている」という見通しを示した。

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