知的財産ニュース ハンファQセルズ、特許侵害で京セラに提訴され

2014年7月11日
出所: 電子新聞

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ハンファグループが太陽電池に関する特許問題で日本企業に提訴された。業界では、日本の太陽電池市場において海外企業のシェアが高まっていることに対するけん制の意図があるのではないかと分析している。日本の太陽電池メーカーである京セラは、10日、太陽電池の発電効率を高める技術に関する特許権を侵害されたとして、ハンファQセルズ・ジャパンに対して損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起した。

京セラは、「3本バスバー電極構造」という自社特許をハンファ側が無断使用したと主張している。太陽電池の電極数と幅、配置を最適化して電気抵抗を低減するほか、太陽光の受光面積を拡張して発電効率を向上させる技術に関する特許だ。京セラはハンファQセルズ・ジャパンと特許侵害について1年以上交渉を進めてきたが、成果を得られず、訴訟の提起に至った。

韓国の業界では、最近、韓国・中国など日本市場においてシェアを拡大しつつある海外企業に対するけん制が本格化したのではないかと見ている。「3本バスバー電極構造」は太陽電池分野で一般化した技術として知られており、特許侵害の立証に当たって激しい攻防が予想されている。従来の2本電極に比べ、電気抵抗を低減できるメリットがある上、太陽光の受光面積が広いため、発電効率の向上につながるという点で、多数の太陽電池メーカーで同技術を活用している。訴訟の目的については、特許権侵害の立証よりも日本市場に参入した海外企業のけん制だという分析もできる。

ハンファQセルズは昨年、日本市場において海外の単一ブランドとしては最多の約500㎿モジュールを販売した。京セラはハンファQセルズ以外の太陽電池モジュールメーカーとも交渉を進めている。状況次第では、太陽電池、モジュールのメーカーのみならず、販売店や発電事業者に対しても損害賠償や差し止めを求める特許侵害訴訟を検討している。業界の関係者は「技術に関する問題は今すぐ判断できないが、3本バスバー電極構造は、太陽電池の製造において一般的な技術として知られている。今回の訴訟は、日本で徐々に定着している海外企業をけん制する狙いである可能性が高い」と述べた。

チェ・ホ記者

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