知的財産ニュース 知的財産権、グローバル時代における競争力強化の原動力

2014年8月6日
出所: 韓国特許庁

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企業の活動範囲が全世界へ拡大しつつあるグローバル時代の到来とともに今年上半期に行われた知的財産権の出願は計212,207件で、前年同期の205,113件に比べ3.5%増加したことが分かった。

また、最近5年間で行われた知的財産権の出願は、金融危機による不況などの影響で2008年から2009年にかけて一時減少したが、2010年以降、緩やかな景気回復とともに地道に増加していることが分かる。

知的財産権の出願現況

これは世界経済の回復とそれに伴う韓国経済の輸出好調などを追い風に企業がR&Dなど未来志向の投資を通じて新しい技術と商標を先取りするための努力を重ねてきたのはもちろん、これまで特許庁が知的財産権の創出と活用および保護に向けて地道な取り組みを続けてきた結果だと思われる。

特許は2014年上半期に99,466件出願され、前年同期の93,207件より6.7%増加した。商標の場合、2014年上半期に75,701件出願され、前年同期の72,951件より3.8%増加した。

今年上半期における研究主体別の特許出願を見ると、大企業が22,397件(22.5%)、中小企業が15,937件(16.0%)、外国人出願は22,361件(22.5%)となった。

知的財産権の出願が最も多かった韓国国内企業はサムスン電子(4,268件)、LG電子(2,320件)、アモーレパシフィック(1,389件)の順で、海外企業はクアルコム(775件)、インテル(328件)、アップル(245件)の順となった。

最近スターバックスコーヒーと国内企業間の商標権紛争、サムスンとアップル間の意匠権紛争からも分かるように知的財産権に対する企業と個人の関心が日増しに高まっている。

また、OECDの経済見通しを参考すると、韓国は2014年~2015年に世界貿易の増加、主要国とのFTA効果などにより輸出が増加し、4%台の経済成長を遂げると予想されている。
※近年のFTA締結状況:EU(2011)、米国(2012)、カナダ(2014)、豪州(2014)

特許庁出願課のイ・チェヨン課長は「今後、知的財産権分野において市場をリードし、技術を開発するのだけでなく、当該技術を基に生産した商品に対して消費者が感じ取る商標と意匠の重要性を認識し、グローバル時代における企業競争力を維持するための先行的な知的財産戦略および環境の構築が求められる」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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