知的財産ニュース SKケミカル、ノバルティスとの「イクセロンパッチ」特許訴訟第2審で勝訴

2014年11月11日
出所: デジタルタイムズ

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韓国製薬会社がグローバル製薬会社を相手に特許そのものを無効にさせる訴訟で勝訴した。

SKケミカルは、貼り薬のアルツハイマー型認知症治療薬「イクセロンパッチ」について、グローバル製薬会社ノバルティスとの特許訴訟第2審で勝訴した。

現在、イクセロンパッチに係わる特許は、原料となる「リバスチグミン」と、これを用いたパッチ型医薬品を製造する技術の「経皮吸収製剤」と「抗酸化剤」の3件だ。ノバルティスは、2012年にSKケミカルを相手取って原料と抗酸化剤に対する特許侵害訴訟を提起し、これに対抗する形でSKケミカルは、特許無効訴訟を提起した。

今回の特許無効訴訟第2審で、特許法院は原料の物質と経皮吸収製剤の特許について、いずれも「無効」と判決した。経皮吸収製剤に関する特許は、第1審では特許としての有効性が認められたが、第2審では逆の結果が出た。結局、イクセロンパッチに係わる特許3件はいずれも無効判決が下された。

この結果を受けてSKケミカルは、高等法院で第2審が行われている特許侵害訴訟においても有利な立場を確保できると判断している。また、今年9月に発売したイクセロンパッチのジェネリック医薬品である「WONDRON」のマーケティングでも、特許関連の負担が解消されると期待している。今年、10社前後の国内製薬会社がイクセロンパッチのジェネリック医薬品を発売しており、このうちSKケミカルは唯一高容量医薬品である「WONDRONパッチ15」の許可を保有している。

SKケミカルのイ・インソク代表は、「一般的な侵害回避訴訟ではなく、特許無効化により当社の正当性を主張する戦略が功を奏した。グローバル競争で生き残るために、R&D力量を確保するのはもちろん、特許紛争に備えて徹底した準備をしておく計画だ」と述べた。

ナム・ドヨン記者

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