知的財産ニュース 感性を認識するモバイル機器の特許出願が急増

2014年11月24日
出所: 韓国特許庁

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音声、表情、生体データによって人間の感性を認識するモバイル機器の出願が大幅に増加した。

最近、センサー技術の進化により、人間の感性(喜び、悲しみ、怒り、驚き、怖さなど)を認識する感性認識技術が浮上しつつある。同技術を適用したモバイル機器は、ユーザの感情を自動に判断し、ユーザが憂鬱だと判断すれば、気分転換のための音楽を流すこともできる。

特許庁によると、2008年まで計43件に過ぎなかった特許出願は、2009年から2014年10月まで計105件が出願され、持続的な増加傾向を見せている。

感性を認識するためのセンサーを種類別にみると、複数のセンサーを使用する場合が最も多く、オーディオセンサー(マイクロフォン)、イメージセンサー(カメラ)の順だった。

複数のセンサーで認識するモバイル機器の出願は、2008年までは毎年0~3件の水準に止まっていたが、2009年以降は毎年10件くらいに増えた。

複数のセンサーで感性を認識する技術としては、複数の生体センサー、オーディオセンサー、イメージセンサーによるデータを総合して、感情を推測する技術が主となっている。

出願人別にみると、大企業(42%)の割合が産官学(26%)、中小企業(24%)、個人(8%)より高く、多出願人順位はLG電子(16)、サムスン電子(15)、SKテレコム(11)の順となっている。

米国の情報技術諮問機関Gartnerによると、現在の感性コンピューティング技術は、胎動期を経て、5~10年内に成熟期を迎えると見込まれている。

また、産業技術評価管理院によると、感性認識モバイル機器のグローバル市場規模は、2015年の96億ドルから2019年に134億ドルと、年平均8.9%ずつ成長する見通しだ。

特許庁関係者は「感性認識モバイル機器は、情報通信技術(ICT)R&D中長期戦略の10大中核技術に該当するが、まだ、技術が胎動期にあるため、グローバル市場で優位を占めるためにも知財権を確保しようとする取り組みが欠かせない」と強調した。

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