知的財産ニュース 知財専門サービス業界、「厳しい」

2014年2月20日
出所: 電子新聞

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特許庁が知的財産サービス産業育成を目的に「知財情報活性化案」を掲げて1年が過ぎたが、看板倒れになっている。韓国の知財サービス市場が頭打ちになり、政府の課題事業以外はこれといった販路が見つからず、経営難に陥っている。

知財サービス産業の競争力を強化するため、業界における協力・連携事業などが必要との指摘だ。19日の業界によると、昨年、主要知財専門企業は、特許データベース(DB)、調査・分析、検索、登録料管理会社が赤字となり、経営難に苦しんでいることが確認された。

業界の関係者は、「一部企業は、赤字の損失を穴埋めするため、リストラなどを検討している。大半の知財サービス会社が国内市場は頭打ち状態と認識はしているが、解決策を見出せずにいる」と述べた。

韓国特許庁が2012年に調査した「国内の知識財産サービス産業の実態調査」によると、韓国の知財サービス産業規模は、4105億2700万ウォン水準だ。米国の89億375万ドル(9兆5000億ウォン・2007年経済センサス調査)、日本980億円(1兆300億ウォン・2011特許庁長さ)に比べ市場規模が零細だ。

そのため、韓国特許庁は昨年3月、知財サービス産業の育成と活性化に向け「知財情報産業活性化案」を発表した。特許とサービス、科学、法律など様々な情報が融合した情報システムを構築し、新しいビジネスモデルを探って「韓国型トムソンロイター創設」を掲げていた。

しかし、市場の反応は冷ややかだった。まず、知財サービス会社の単位が零細すぎる。ある知財サービス会社の代表は、「今の規模では、特定企業が単独で事業領域を拡大させることは難しい。知財のDB、検索、翻訳、技術取引などの各分野の専門会社間におけるコンソーシアムなど、協力モデルが必要だ」と指摘した。

韓国特許庁の調査の結果、韓国の知財サービス企業1社当たりの平均売上高は6億ウォンをやっと上回る水準だという。一方、グローバル知財サービス企業の国内市場侵食も問題だ。トムソンロイターやグローバルCPAなどの海外企業がブランドと資本力に基づき、国内の知財市場の顧客を魅了させているが、国内の零細会社は手の打ちようがない状況だ。

知財サービス企業が民間部門で売上げを増やせないと、公共企業に集中してしまうのも競争力悪化の背景として上げられた。業界によると、知財サービス企業は、自社の事業の割合において5%から多い所は50%以上が韓国特許庁の公共事業から売上げを得ているという。特許庁が知財の翻訳、検索、先行技術調査事業を民間の知財サービス企業に下請けする形だ。

韓国知財サービス産業協会の関係者は、「公共事業の割合を高めていくのは、結局、民間市場の競争力が失われることを意味する」と述べながらも、「しかし、海外市場に進出する能力のない会社が公共事業にも参加できなければ、会社を運営できない状況だ」と説明した。

クォン・ドンジュン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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