知的財産ニュース 特許の英文抄録翻訳事業が民間に委譲

2014年4月28日
出所: 電子新聞

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公共機関が主に行っていた特許英文抄録(KPA)翻訳事業が民間に委託される。これまでは特許庁傘下の特許情報院がKPA翻訳を担当してきたが、誤訳やミスが多く、特許の国際的な競争力と、知的財産サービス業の活性化の弱化の一因として指摘されていた。

韓国特許庁は28日、一般公開競争を行い、KPA翻訳事業者にIPT(Intellectual Property translation)コンソーシアムを最終選定したと発表した。

IPTコンソーシアムは、知識財産サービス協会の特許分科所属のメカIPS327、タサンIP&I、ジオンコンサルティング、未来特許情報コンサルティング、KPS、トウォンドットコム、ゼセの7社の特許翻訳専門会社に構成されている。

KPAは、国内の特許技術を英文で要約した資料で、米国・欧州・日本・中国など46カ国の特許庁及び関係機関に提供される。類似な技術が海外で登録されることを防ぐことで、知的財産の保護の役割を果たす。2007年からは、特許協力条約に基づき、韓国特許の英文抄録は、国際特許審査において調査が義務付けられた必須文献になった。

しかし、KPA翻訳に誤訳やミスが多いという指摘が出たことを受け、韓国特許庁は、翻訳過程の監視強化・実務者の教育などの品質改善事業に取り掛かり、知財サービス産業の活性化のためには、民間の参加が必要だという世論を形成した。

これから特許庁は、KPA翻訳事業に民間の知財翻訳専門企業を参加させ、品質向上の誘導と、市場の活性化を同時に図る方針だ。今年のKPA翻訳の全体量(約13万件)においてまずは10%を民間に任せ、徐々に拡大する計画だ。年末に事業結果の品質に応じて来年は20%から30%に割合を高め、最終的には90%まで民間に委託する計画だ。

これまでKPAの翻訳を担当していた特許情報院は、翻訳業務の代わりに、品質検収に能力を集中させることにした。

韓国特許庁情報管理課のチェ・フンヨン事務官は、「KPA翻訳事業を民間に委託することで、関連産業の活性化と、品質改善ともに向上する狙いだ」という期待を示しながら、「結果物の品質と市場の活性化程度に応じて、民間の割合の拡大を積極的に検討する予定」だと述べた。

メカIPSのキム・チョンウ代表は、「事業の収益性よりは、韓国の特許技術の顔となるKPAの品質向上のために専門企業がともに参加を決めた」として、「多くいる知財翻訳の資格保持者を中心に事業を遂行して、高品質の知財翻訳サービスを実現したい」とコメントした。

パク・ジョンウン記者

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