知的財産ニュース 2014年1~3Qの知的財産出願、例年に比べ大幅に増加

2014年11月5日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、統計需要者が主な統計情報を図表・グラフィックなどの形で容易に確認できるよう、インフォグラフィックを活用した分析データである「知識財産統計FOCUS」を発行・提供する。

今年上半期のFOCUSが2013年のIP統計を効果的に伝えるために主要統計の選定およびインフォグラフィックの強化に集中したとすれば、今年下半期のFOCUSは、統計データを活用した深層分析データの提供に集中した。その中でも、企業・個人・教育分野など出願人別の出願を詳しく分析しており、3Dプリント産業の出願動向、クラスター産業団地の出願現況など、様々なコンテンツを提供している。

2014年1~3/4四半期のIP統計の現況

「IP統計FOCUS」によると、2014年3/4四半期までのIP出願は合計327,824件で、前年比6.0%増加した。これは2009年から2013年までの同期間年平均増減率(2.9%)より高く、例年より出願が大幅に増加したことが分かる。

2014年1~3/4四半期の登録件数は215,166件で、前年同期比3.0%増加した。権利別では、特許とデザインが前年同期比それぞれ3.8%、14.9%上昇した反面、実用新案と商標はそれぞれ17.6%、2.1%減少した。

出願人の類型別の特許出願

出願人を国内の大企業、中堅企業、中小企業、個人、公共研究機関、教育分野、外国、その他に分けて出願動向を分析した結果、2013年は大企業が23.5%と最も高く、外国(21.8%)と個人(18.3%)もそれぞれ全体の1/5に近い割合を占めていた。

出願の伸び率も大企業が12.8%と最も高かった。教育分野は10.0%で2番目となったが、出願全体で占める割合は個人や外国人などに比べて低いものの、出願の伸び率では成果を上げていることが分かる。

出願人の類型別の出願現況(2013)

出願人の類型別の前年比増減率

地域別でみると、首都圏および慶尚北道では大企業の割合が高く、忠清南・北道では中小企業の割合が高かった。また、全羅南・北道、江原道、慶尚南道などでは個人の出願が多いことが分かった。

大田広域市は、公共研究機関の出願が最も多く、大徳研究団地を中心とした研究が活発に行われているためだと見られる。

技術分野別の特許出願は、電機および機械分野は大企業が、器具および化学分野は外国が最多出願となった。特に電機、化学、その他の場合は、大企業が前年比それぞれ15.0%、17.1%、24.6%と著しい伸び率を見せた。機械の場合、公共研究機関が19.1%、器具の場合は大企業と公共研究機関がいずれも8.5%で最も高い伸び率となった。

技術分野別‐出願人別の出願動向

クラスター産業団地の特許出願分析

クラスター産業団地の特許出願を分析した結果、クラスター参加企業の企業当たり特許出願の割合が一般企業に比べてはるかに高く、クラスター内の各企業は、主に圏域別に特化した特許を出願していることが分かった。

クラスターに参加している中小企業の企業当たり出願(0.39件)は、韓国の一般中小企業の出願件数(0.09件)より4.6倍も高い。

また、首都圏(特化産業:IT、部品素材など)は、電機分野の出願の割合(38.3%)が高く、東南圏(特化産業:メカトロニクス、自動車、造船、航空宇宙など)は、機械出願の割合(46.9%)が高いなど、圏域別の特性に合わせた出願が行われていた。

この点については、技術集中度というバロメータからも確認することができた。クラスター内にある中小企業の技術集中度(0.4)が韓国中小企業全体の技術集中度(0.24)より高く、クラスターでは比較的に特定分野に特化した技術の出願が集中されていることが分かる。

技術集中度

  • 当該地域の全体特許出願件数比、各技術分野別の出願割合の二乗を足した値のことで、0から1の間の値で示され、1に近いほど特定技術分野に集中された出願が行われたことになる。
  • 数式 = (i=WIPO5大技術分野、Ni=i分野の特許出願件数、N=全体出願件数)

国別の特許存続件数

2012年ベースの国別の存続特許件数のうち、米国の存続特許の割合が26.2%と最も多く、次いで欧州諸国(38カ国)が25.0%だった。中国と日本は存続特許の割合が2010年それぞれ7.5%、18.8%から2012年10.2%、19.8%と持続的に増加しており、韓国は8%の水準を維持し、2012年ベースで5番目に存続特許の多い国となった。
※存続特許(Patents in force):当該時点ベースで満了していない特許

IP5国別の存続特許の割合(2010~2012)

この他にも、「知識財産統計FOCUS」では、3Dプリント産業の特許出願動向、国別の特許維持率、審査処理件数など、様々な分析データを掲載し、需要者が求めているコンテンツを提供している。

今回の統計FOCUSは、2013年の創刊以来、4番目に発行する統計刊行物として、知的財産の統計情報を必要とする国家機関(政府)、自治体、関連機関、企業および一般人を対象にオンライン・オフラインで配布される予定。PDF/電子書籍版は、特許庁のホームページ(http://kipo.go.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で閲覧できる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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