知的財産ニュース 畜産分野の国有特許、民間移転の活性化を推進

2014年8月25日
出所: 韓国特許庁

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口蹄疫と高病原性鳥インフルエンザの発症などにより、防疫当局に赤信号が灯っているこの頃、畜産分野の動物疾病用ワクチンを生産するA社は、国有特許※技術を導入して商品化し、昨年21億ウォンの売上を上げた。国家の特許技術を安価な実施料で使用できるため、製品開発に投じられる研究開発費用を節約するのはもちろん、その節約分を新製品開発に向けた研究に集中投資することができた。

国有特許とは、公務員が職務に関する発明を行い、韓国の名前で出願・登録した特許をいう。つまり、韓国が所有している特許技術のことで、使用を希望する者は誰でも通常実施権契約を通して事業化することができる。

特許庁は、8月から農業分野に次いで畜産分野の国有特許についても同技術取引専門機関である農業技術実用化財団に処分・管理業務の委託を拡大した。今後、A社のように国有特許の技術を導入して事業化する場合、農業技術実用化財団の技術説明会と専門家のアドバイスを活用して優秀な国有特許情報を事業化することで、国有特許の信頼性向上と技術移転の活性化が期待できる。

国有特許技術の分野は、高度の技術と先端装備を使って研究を重ねてきたあげく開発した「遺伝子に関する特許」や兵士の戦闘力向上のための「戦闘靴装着のスキー」など、一般行政分野から食品、農産・畜産、森林、環境、気象、海洋水産、科学捜査、軍事など、あらゆる分野において計4,000件余りの特許が登録されている。その中でも農業分野の特許が半分以上を占めており、同分野の技術開発と事業化が活発に行われている。

特に食品分野の「モチモチ硬くならないお餅」、美容分野の「蜂毒を活用した化粧品」、「みかん皮を活用したマスクパック」などは、日常の食べ物、日用品と国有特許技術が融合して事業化に成功した代表的なケースだ。

国有特許の使用を希望する中小企業が負担する初期段階にかかる費用を削減するために、2013年10月から「先使用、後精算制度」を導入して、契約期間が満了した後、使用した分の実施料のみ支払うことにした。また、3年以上実施したことのない国有特許権は、無料で使用することができる。

国有特許に関する情報は知識財産取引情報センター(www.ipmarket.or.kr)と特許ロ(www.patent.go.kr)で検索して使用することができる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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