知的財産ニュース 「韓国は供給中心型創業」の環境…回収市場の活性化が必要

2014年9月16日
出所: デジタルタイムズ

4728

韓国は、特許出願とベンチャーキャピタルが発展した「供給中心型」構造の創業・ベンチャーの環境だという分析が出た。一方、買収・合併(M&A)、新規株式公開(IPO)などの投資回収分野は、相対的に脆弱化していることが分かった。

中小企業庁と創業振興院は16日、創造経済研究会を通じて実施した「日中韓創業・ベンチャー環境の比較研究」において、以上の分析結果を発表した。

今回の研究は、日中韓3カ国の創業・ベンチャー環境を集中的に分析し、米国との比較を通じて韓国のベンチャー・創業環境の活性化方案を提示する目的で行われた。

研究結果によると韓国は「供給中心型」、中国は「市場志向型」、日本は「技術中心型」、米国は「バランス型」の傾向があった。

韓国の場合、2012年の1人当たり特許出願件数は0.41件で世界トップ水準である一方、IPロイヤルティは-49.5で赤字を計上し、特許の質的向上とロイヤルティ収入および技術金融など、特許の活用という側面を強化しなければならないと指摘された。

エンジェル投資の割合は、国内総生産(GDP)比0.01%に及ばず、また、M&A規模も中国と米国に比べ相対的に低迷していることから、エンジェル投資の拡大および大企業が主導するM&Aの活性化が求められるという分析があった。実際、2012年の韓国のM&A規模は5億ドルで、中国(200億ドル)の40分の1、米国(800億ドル)の80分の1の水準に止まった。

GDP比ベンチャーキャピタルの割合は、日本(0.017%)と中国(0.089%)より高い0.091%で優位を占めているが、IPO規模は最下位で、KOSDAQなどの投資回収市場の活性化に向けた努力が求められている。それとともに創業企業が成功する前まで失敗を経験した平均回数は、1.3回で、日本(1.0回)と米国、中国(それぞれ2.8回)に比べ失敗経験が少ないことが分かった。

創造経済研究会の関係者は、「韓国が共有中心型の創業・ベンチャー環境を抜け出すには、技術金融を強化し、M&AやIPOなどの回収市場を活性化することで「好循環の環境作り」にさらなる政策力量を集中させることが重要だ」と述べた。

イ・ジュンギ記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195