知的財産ニュース 地方中小企業の知的財産経営をサポート

2014年6月19日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁(庁長キム・ヨンミン)が自治体と共同で行っている「IPスター企業育成事業」が中小企業の間で好評を得ている。

サムスンとアップルの特許紛争以来、中小企業はIP(Intellectual Property、特許権・商標権・デザイン権などの知的財産権)の重要性を認識するようになったが、自主的に知的財産経営の戦略を立てるには手を焼いている状況だ。また、中小企業は知的財産権の出願費用など、関連予算の確保にも苦しんでいる。

こうした中小企業の困難を解消すべく、特許庁は自治体と協力して2010年からIPスター企業育成事業を施行している。IPスター企業育成事業は、特許庁と自治体が事業予算を5:5に分担し、地方中小企業の知的財産経営を支援する事業だ。同事業を通じて中小企業は、IP経営戦略コンサルティング、先行技術の調査、国内外における出願費用の支援、ブランドおよびデザインの開発など、知的財産に関わる多様な支援が受けられる。

中小企業の好評を追い風に関連予算も大幅に増加している。自治体マッチング予算を含め、事業予算の規模は2010年に269.6億ウォンだったことが2014年に460億ウォンまで急上昇した。特に今年は、中小企業のそれぞれの成長段階およびIP力量に応じた支援体系を新しく導入して実施中だ。(IP Start-Up段階:先行技術調査約1,700件、国内出願支援約5,700件など、IP Scale-Up段階:それぞれの企業に合わせた特許マップ73件、ブランドおよびデザイン開発276件など支援、IP Star段階:227社を新規選定し、3年間IPを総合的に支援)

IPスター企業育成事業は、全国30地域の知的財産センター(www.ripc.org外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、1661-1900)に常住する専門コンサルタントが随時に企業を訪問し、コンサルティング基盤の現場支援を並行するため、質的なレベルも高い。2013年の選定で支援を受けたIPスター企業151社の前年比売上高は27.7%、輸出額は15.4%、雇用数は7.8%増加した。一般の中小企業(2012年ベース)の売上高、輸出額、雇用数がそれぞれ5.3%、6.6%、3.4%増加したことを踏まえると、IPスター企業の成長は注目すべきものだ。とりわけ、IPスター企業を地域別にまんべんなく選定しているため、IPスター企業の成長はバランスのとれた地域発展に貢献している。

特許庁産業財産政策局のクォン・ヒョクジュン局長は「IPスター企業を地域別に育成することは、地域経済の発展のみならず国の経済発展にも大きく貢献するものだ」と述べている。特許庁は2017年まで1,500のIPスター企業を育成することで、地域の雇用を創出し、地域経済に活力を取り込む計画だ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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