知的財産ニュース FPCB分野の特許出願が増加基調

2014年5月21日
出所: 韓国特許庁

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ウェアラブルスマートフォンやタブレットPCの開発が進んでいるなか、それを後押しする電子部品としてフレキシブルプリント基板(FPCB:Flexible Printed Circuit Board、以下、FPCB)への関心が高まっている。

フレキシブルプリントは、従来の印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)とは性質を異にしている。3次元の配線構造がつくられ、何度折り曲げしても耐久的に作動し着用ができる(ウェアラブル)か、曲がる(フレキシブル)技術を融合する次世代スマート機器に必要な部品だ。

韓国特許庁によると、2009~2013年まで、FPCB関連の特許出願は、約330件にのぼっているという。

FPCB関連の特許のなかで、電気が流れるインクを噴射して印刷するように回路パターンを形成するFPCB特許の出願は、2012年までの5年間、計26件にとどまっていたが、2013年には、1年で20件が出願されるなど、増加している。

このように、伝導性インクパターンを適用した出願が増加している理由は、真空蒸着や鍍金など従来の製造方式とは異なり、フィルムや繊維素材などに伝導性インクを印刷する方式で曲がりが激しい部位にも適用が可能という特徴のためだ。

こうしたインクパターン適用フレキシブル基盤は、基板とインクの種類や印刷技術によって、様々な形状や機能を施して着られる(ウェアラブル)か、曲がる(フレキシブル)電子機器分野に適用が可能であり、莫大な付加価値を創出すると期待されている。

イギリスの市場調査機関「IMSリサーチ」によると、着られる(ウェアラブル)電子機器の世界市場規模は、2011年の約20億ドルから2016年には67億ドル以上と、毎年約27%の成長が見込まれている。

こうした流れに足並みをそろえ、韓国政府も着られる(ウェアラブル)電子機器産業を創造経済の革新的な成長エンジンとして育成するため、今年3月、産学研の有識者と政府が参加する「官民共同フォーラム」を発足した。今後10年間(2015年~2024年)、予算を支援する計画だ。

韓国特許庁精密部品審査課のシン・サンゴン課長は、「今後、韓国のフレキシブル基盤メーカーが市場シェアを獲得していくためには、電子インクの適用及び透明なフレキシブル基盤のような付加価値の高い基盤分野の技術開発及びオリジナル特許の確保が求められる」と強調した。

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