知的財産ニュース 特許庁、自動車チューニング産業を支援

2014年7月9日
出所: 韓国特許庁

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最近の自動車産業界で最も注目されている分野は「チューニング」だ。メーカーによる画一的なデザインを拒否し、自分だけのユニークな車を求める消費者のトレンドが反映されている上、これからの成長可能性が非常に大きい市場であるためだ。

韓国特許庁(庁長キム・ヨンミン)によると、チューニング・カーの一種であるキャンピング・カーに関する特許出願の場合、ここ5年間の出願件数が以前より120%増加した。また、自動車分野の特許出願人数は2011年1,300人から2012年1,700人へ30%以上急増したが、チューニング・ブームを受けて自動車部品分野に新規参入する事業者が増えたことが原因だと見られている

これまで厳しい規制とネガティブな認識などの影響で競合国より立ち遅れていた韓国のチューニング産業を活性化するため、政府は自動車チューニング産業振興対策(6.17)を発表した。こうした流れに乗って、チューニング関連技術の開発および事業化の動きはますます盛んになると思われる。

特に、産業の発展と軌を一にする特許権など知財権に対する需要は、現政権の政策基調である規制緩和の傾向と相まって、さらに増加するとの見通しだ。そのため、特許庁は国内の自動車チューニング産業界が早期に特許経営に乗り出すことができるよう、積極的な支援を行う予定だ。

まず、特許庁は国内最大級の自動車アフターマーケット見本市である「2014ソウル・オートサロン」に、特許相談センターを設置する。特許相談センターは、参加企業を対象に特許権の重要性を知らせ、特許の獲得方法や従来の特許による侵害訴訟を予防する方法などについて、コンサルティング・サービスを提供する予定だ。また、今年12月に行われるチューニング・カー大会にアイデア部門を新設し、創意工夫の優れた商品に対しては特許庁長賞を授与するなど、アイデア保護の手段としての知財権に対する認識向上を目指す。

今後は、チューニング産業協会、発明振興会などの関係機関と協力し、現場訪問コンサルティングなど各企業の技術保護および事業化の支援に取り組むことにした。産業部か進めているチューニング技術開発支援事業にも積極的に協力し、技術開発の段階から強固な特許創出に向けた諮問活動を行う計画だ。

特許庁の関係者は「最近、規制緩和の流れを受けて、外資系の大手チューニング業者が本格的に韓国市場へ参入すると見られているだけに、完成車業界に比べ企業規模や労働力の面で厳しい状況に置かれている国内チューニング業界の保護のために、特許庁の役割が求められている状況だ」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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