知的財産ニュース 国家R&D事業の特許情報活用拡大案を発表

2013年12月20日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、国家R&D事業の特許成果を質的に高めるため、「国家R&D事業の特許情報活用拡大案」をまとめて発表した。

今回の案の背景には、研究開発投資が持続的に拡大されていることを受け、国家R&Dから創出される特許成果の量的規模は増加しているものの、質的な水準は比較的に不十分で、特許成果の活用もほかの先進国より遅れているという認識があり、R&D課題の選定から課題の企画、課題の遂行、成果の追跡・管理まで国家R&D事業の全周期において特許情報の活用を最大化することで、質の高い特許の創出を誘導することに目的がある。

まず、新規市場を創出し、製造業のイノベーションをリードする国家戦略製品を対象に、大規模な特許情報分析を通じてコア・オリジナル特許の確保が可能な特許観点の有望な未来技術を選定し、政府R&D課題として提供する「未来戦略製品の特許戦略の未来図構築事業」が新たに進められる。3Dプリンター、スマートカーなどを対象に、バリューチェーンの側面から優秀特許の先取りが可能な有望技術が市場現状及び特許競争力の分析結果とともに提供され、国の特許競争力の確保に向けたR&D投資決定において重要な資料として利用される見込みだ。

また、充実化したR&D課題企画を促すため、基礎研究段階のR&D事業を企画するときも、特許動向調査を利用するよう、関連法令の見直しを推進し、政府系研究機関の内部R&D課題企画にまで政府レベルの特許動向調査の支援を拡大する。そのため、韓国特許庁は、現在25%にとどまっている政府系研究機関の特許動向調査支援率を2015年まで60%に高める計画を持っている。

さらに、政府R&Dから創出された特許成果情報の活用も高めていく計画だ。 政府R&Dの特許成果を分析し、その結果を研究機関などに追加提供して研究機関の事業評価に利用できるよう支援することで、研究機関が自ら特許成果を高める取組みを実施できるよう、誘導する。また、R&D事業別の中心目標に適合し、質も高い特許成果の創出を誘導できる特許成果指標と、目標設定のためのガイドラインも開発してR&Dを推進する各部署に提供する。

その他、基礎技術を研究する大学や研究所、その技術を移転してもらい、製品化につなげたい企業を一括支援する「知的財産-R&D連携戦略支援事業」も新たに推進するなど、R&Dの遂行段階における特許創出の支援も強化していく計画だ。

キム・ヨンミン長官は、「国の研究開発事業の効率性を高めるためには、R&D事業の全ての領域に特許情報を活用することが不可欠である。今後、政府のR&D特許成果の質を高め、特許成果の利用を増やすため、多角の対策を確立して部署を超えた取組むを推進していきたい」と述べた。

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