知的財産ニュース お掃除ロボットが賢くなっている

2013年3月5日
出所: 韓国特許庁

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2002年、アイロボット(iRobot)社がお掃除ロボット「ルンバ(roomba)」を200ドルに発売し、お掃除ロボットの大衆化時代を切り開いて以来、お掃除ロボット市場は拡大されつつあり、関連技術の開発も積極的に行われている。

韓国特許庁によると、お掃除ロボットの出願件数は、2001年以降から持続的に増加したが、2005年を境に減少傾向に転じ、2011年から再び回復基調に復している。全体の掃除機出願件数も類似の変化傾向を示しているが、掃除機分野における技術開発が2000年代半ばに成熟期に達し、2000年代後半の世界的な景気低迷の影響が掃除機分野の特許出願に反映された結果だと分析されている。

ただ、全体掃除機の出願のうち、お掃除ロボットの出願が占める割合は、200年代半ばには増減を繰り返したが、2001年4.4%から2011年23.9%に5倍以上も増加した。掃除機全体の出願件数が減少と増加を繰り返している中でも、お掃除ロボットの技術開発の割合が大幅増加したことを意味する。

一方、米国と欧州の場合も、韓国と類似の傾向を示している。世界的にお掃除ロボットの技術開発の割合は、全体的に増加基調にあるが、絶対割合としては、韓国の技術開発がより積極的に行われたことが分かる。

また、主な出願人の現状をみると、2001年では、全体の21件の出願のうち、19件が特定の大手企業による出願だったが、その後から徐々に専門メーカーや個人などに出願の主体が拡大・多様化してきた。

お掃除ロボットに関する興味深い出願を紹介する。i) 泥棒が部屋に入ったら、登載されたカメラで撮影して携帯電話に転送すると同時に、催涙ガスを噴射しながら警報音を出して泥棒を追い払うお掃除ロボット、ii)障害物にぶつかると、数本の腕を利用してそれを回避するお掃除ロボット、iii)自らドックステーションに接続して内部のホコリを空っぽにするお掃除ロボット、iv)自らドックステーションに接続して新しいホコリ箱を取り替えるお掃除ロボットなどと様々だ。

約800億ウォン規模(2012年業界の予測)の韓国のお掃除ロボット市場の枠を超え、世界に通用できる技術を先取りするため、お掃除ロボット技術の出願は、今も続いている。

年度別における掃除機全体、及びお掃除ロボットの出願動向

年度別における掃除機全体に対するお掃除ロボットの出願の割合の動向

年度別における米国の掃除機全体、及びお掃除ロボットの出願件数の動向

年度別における欧州の掃除機全体とお掃除ロボットの出願件数の動向

年度別における米国と欧州の掃除機全体に対するお掃除ロボットの出願の割合の変化

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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