知的財産ニュース 政府R&D特許成果の分析結果が発表

2013年12月11日
出所: 韓国特許庁

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政府R&D特許成果は、量的な面においては飛躍的な成長を成し遂げたが、優秀特許の割合が低く、技術移転などの活用は不十分であることが分かった。

韓国特許庁は、この5年間(2008~2012)、政府R&Dとして創出された特許成果の量的・質的な水準と活用及び管理現状を分析し、その結果に基づいて政府R&D特許成果に関する制度及び管理面での見直し点を盛り込んだ「2012年度政府R&D特許成果の調査・分析結果」を発表した。

今回の分析結果によると、2012年、政府R&Dによって創出された特許出願は、計22,933件で、5件平均12.9%という高い増加率を示している。R&Dの量的効率性を表す特許生産性(R&D投入10億ウォン当たりの特許出願件数)は、1.4と、米国や日本よりはるかに高い。しかし、質的な水準と活用の面では、まだ見直すべき点が多いことも明らかになった。

まず、最近5年間(2008~2012)登録された政府R&D特許成果を(1)特許の品質指標を通じて分析した結果、優秀特許※の割合は、外国人の1/7にすぎず、(2)オンライン特許分析評価システム(SMART)を通じて分析した結果、約16.4%だけが優秀とされた。

※特許性急行の数、被引用度など、特許品質指標(PQI)を活用した分析の結果、国内全体の特許登録の上位10%以内に入る特許を意味

また、国内の大学・公的研究機関の特許成果の活用実績を表す研究生産性が米国の半分の水準にすぎないと調査され、技術移転など、積極的な活用対策が急がれていることが浮き彫りになった。一方、政府R&Dを通じて創出され、世界的な科学技術分野の学術誌NSC(Nature, Science, Cell)に掲載された論文を通じて発表された特許技術が実際の特許出願につながっている件は、半分にも満たさず、研究成果の積極的な権利化が行われていないことが問題として指摘された。

特に、論文に発表された優秀な研究成果が国内だけに出願されているか、海外の共同研究機関によって単独に出願された事例があって、政府R&D研究成果の国際的な保護システムの強化が求められている。

今回の調査結果によって浮き彫りになった課題を解決するため、特許庁は、「(1)海外進出を踏まえた多角の海外出願戦略、(2)R&Dの全周期における特許情報の活用を通じた政府R&Dの効率化、(3)基礎研究に対する特許動向調査の拡大実施及び基礎研究から特許戦略のコンサルタント支援案の確立、(4)研究者を対象にした特許戦略コンサルタント(IP-R&D) の拡大・強化及び優秀な研究成果の創出時、直ちに特許戦略コンサルタント支援体制を構築、(5)国際共同研究の特許成果の帰属に関する明確な規定及びガイドラインの確立、(6)未申告特許の成果反映及び課題情報不一致を改善するための成果管理システムの構築など」が必要だと提言した。

キム・ヨンミン特許庁長は、「政府R&Dにおいて優秀特許の確保及び活用が重要だ。そのため、特許庁では、「国の特許戦略の青写真」、「政府R&D特許戦略」など、様々な支援事業を行っており、特許成果の室を高めるため、未来部などの関係部署と協力して特許成果の管理体制を確信していく計画だ」と説明した。

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