知的財産ニュース 「皆でチャチャチャ(車車車)」に続き「マイドックス」も?

2013年1月20日
出所: 電子新聞

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モバイルゲーム業界の盗作騒ぎが話題になっている中、判断基準が設けておらず、議論は収まりそうにない状況だ。

20日、関連業界によると、CJ E&Mのモバイルゲームの人気ゲーム「皆でチャチャチャ(車車車)」に続き、プレイビーン社が開発した「マイドックス(My Dogs)」も盗作の疑惑が持たれている。

「マイドックス」は、任天堂の「ニンテンドックス」と似ているという指摘がインターネット上で拡大し、韓国の任天堂が日本本社に著作権侵害の可否判定を依頼し、意見の返答を待っている。

韓国で「皆でチャチャチャ(車車車)」の盗作疑惑が拡大し、モバイルゲーム開発各社は緊張している様子だ。特定のゲームを参考や盗作をしなかったとしても類似したゲームが先に市場に登場する事例が多いためだ。実際に、韓国のあるゲーム開発者は、新しくリリースされた海外有名なモバイルゲームが、発売を目前にしている自社のゲームと類似している部分が多いことを発見し、非常事態となった。急いで修正に入ったが、手塩にかけて作ったゲームが盗作疑惑に巻き込まれるのではないか懸念している。

著作権の専門家は、ゲームの素材が限定されており、これから盗作疑惑の問題はさらに拡大するという見通しを示した。音楽の盗作の可否を問うことが難しいように、モバイルゲームも多くの議論を呈しただけで、裁判所で是非を明らかにすることが多くなるのではないかという分析だ。

韓国著作権委員会鑑定フォレンジックチームのキム・ウジョン専任研究員は、「デザインとキャラクターは、創作の余地が大きいが、ゲーム進行の方式は共通する部分が多く、創作性が限られるため、著作権侵害の疑惑がかけられやすい」と説明した。「皆でチャチャチャ(車車車)」と「みんなのスッキリ」は、ゲームの進行方式が非常に似ているが、これをゲームのアイデアとして見なすか、表現方式として見なすかについては、綿密に検討する必要があると分析した。

キム研究員は、「盗作の可否は、その行為に焦点を合わせているが、法的な是非をはっきりする基準にはできない。ゲームは、プログラミング、音楽、グラフィック、シナリオなど、様々な構成要素が複雑に絡んでいるため、盗作を判断する際にはそれを全て考慮すべきだ」と述べた。

モバイルゲームの盗作ガイドライン作りが現実的に不可能であることも議論をさらに複雑にしている。文化体育観光部著作権産業課のユン・ソンチョル課長は、「ゲームは違法コピーや模倣を規定できる範囲があいまいであるため、著作権侵害ガイドラインを作るのは、事実上不可能だ」と述べた。

中小・ベンチャ企業が大手企業から著作権侵害で提訴されれば、法的な対応力が比較的に強い大手企業より劣勢を強いられる可能性が高いのも業界の問題として浮上している。著作権委員会で関連の相談と鑑定業務を進めてはいるが、中小企業には費用と時間的負担が重い状況だ。

ぺ・オクジン記者

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