知的財産ニュース 政府主導で知財価値の評価システムが構築

2013年7月24日
出所: 電子新聞

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韓国政府は、特許技術などの知識財産(IP)価値評価システムの見直しに取り組む。 公的機関の技術取引データベース(DB)を統合構築し、知財取引を活性化するのが目的だ。知財金融のリスク軽減のため、政府予算による支援策も設けられる。

24日、国家知識財産委員会は、韓国技術センターにて「知財・技術評価に関する政府系機関の協議会」を開き、公的機関のDB統合などを議決した。この協議会は、先月開かれた第2回の「知財価値評価・金融政策協議会」で議論された知財価値評価の標準システムの構築、DBの共同活用、品質管理システムの導入などの評価機関の信頼性向上策のバックアップとして行われた。

知財を技術事業化と創業などに活用するためには、知財・技術価値の評価が前提にならなければならない。しかし、これまでは、評価の信頼度が低く、金融界からの担保貸し出しなど、知財ファイナンスが積極的に行われなかった。技術補償基金、発明振興会、産業銀行、韓国産業技術振興院(KIAT)などが知財取引を遂行したが、情報と事例など、知財価値評価の基盤となるDBが共有されず、これが金融界と知財取引期間の間における情報の不均衡をもたらすという指摘が提起されてきた。知財委は、価値評価の所管法令を有する部署と協議し、DBの共有と統合のための法的根拠を設ける計画だ。知財委の関係者は、「DB統合管理は技術補償基金が、事後管理と改善の作業は、KIATが担当する」と説明した。

韓国政府は、知財価値評価のシステムに、運用上ではネックとなる部分があることを把握した。具体的には、価値評価に有効な情報の提供が不十分、実取引の事例など、評価基準となる市場情報が不十分、事後の分析など、評価品質管理システムの不十分、知財・技術に関する情報の非対称性と金融機関の価値評価に対する不信、費用コストの負担、価格形成のメカニズムの不十分により、従来情報の蓄積困難などが指摘された。

また、金融機関の積極的な投資を後押しするため、リスク要素を最小限化することを決めた。知財委の関係者は、「政府の支援金で金融界のリスクを共有する案を設けている。8月に開かれる第3回知財価値評価・金融政策協議会で具体的な案が議論されるだろう」と説明した。中小企業やベンチャ企業の技術価値評価コストの負担を軽減させるための予算も拡充される。知財取引の活性化に向けた最終案を11月にまでまとめる。知識財産戦略企画団のコ・ギソク団長は、「創造経済とは、結局、アイデア・技術・コンテンツなどの無形の知財が正当な補償を受け、市場で容易に事業化されるよう、金融界と政策の支援があってこそ実現されるものだ。その第一歩がきちんとした知財価値評価である」と述べた。

クォン・ドンジュン記者

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